皆さま こんにちは。ナニワグループの見崎でございます。
最近、高性能なスマートフォンやデジタルカメラを敢えて使用せず、フィルムカメラで日常を記録するブームが続いています。
初心者でも失敗しない使い切りカメラやAFコンパクトカメラでなく、敢えて操作方法や持ち運びに負担が大きい中判フィルムカメラを選ぶ方もいます。
中判フィルムカメラのなかでも、インスタグラムやSNSで真四角フォーマットと同じ画像比率1:1(6x6)で撮影可能な二眼レフカメラの在庫のお問い合せも年々増加傾向にあります。
今回のレビューは、二眼レフカメラにもかかわらずレンズ交換ができる【マミヤ C3プロフェッショナル】について、筆者の猫作例を交えながら、ご紹介してゆきましょう。
【マミヤCシリーズとは】
初代製品「マミヤフレックスC プロフェッショナル」は、1957年(昭和32年)に登場しました。
レンズ交換ができる二眼レフカメラとしては唯一無二と呼ばれるマミヤCシリーズは、豊富な交換レンズや充実したアクセサリー類のおかげで、写真館などの商業カメラマンに人気がありました。
以後、パララックス補正指針をはじめて搭載した「マミヤ C33プロフェッショナル」・小型軽量化で扱いやすさを重視した「マミヤ C220プロフェッショナル」・圧板を回転させるだけで120/220フィルムの両方に対応する「マミヤ C330プロフェッショナル」など、様々な名機が送り出されています。
マミヤは、日本のカメラメーカーでは最後まで二眼レフカメラの製造販売を手掛け、1994年(平成6年)に製造を完了しました。
【交換レンズは8種類以上】
■55mm F4.5
■65mm F3.5
■80mm F2.8
■80mm F3.7
■105mm F3.5
■135mm F4.5
■180mm F4.5
■250mm F6.3
なお、同じ焦点距離・開放絞りでも、セルフコッキング有無・ビューレンズの被写界深度確認用絞り付きなどで更に分類すれば、10種類以上ラインナップがあります。
生産期間が長期に渡っていたため、チャージレバー・シャッターリングの色・マーク等で前期型・後期型の判別することも可能です。
逆にセコール55mmF4.5 やセコール65mmF3.5の広角系は状態の良い個体も少なく、店頭にあれば、はやく売れてゆく傾向があります。
【レンズの固定は、1本のワイヤー】
マミヤCシリーズのボディは、巧みに曲げられた1本のワイヤーで固定する仕様です。
勿論、撮影中・移動中にワイヤーが外れてしまわないように、ボディ側面にワイヤーロックの切り替えレバーがあります。
フィルム装填後でもレンズ交換ができるように、ロックを解除すれば、フィルムを遮光させる機能も働きます。
レンズボードを繰り出した状態では交換ができませんのでご注意ください。
【驚くほど近距離撮影が得意】
主な二眼レフカメラの焦点距離は75~80mm(35mmカメラ換算でおよそ40~45mm)の広角レンズなので、猫を大きく写し込みたい筆者のようなカメラマンには、通常の二眼レフカメラでは物足りなさを感じる部分があります。
その点、マミヤCシリーズは、他の二眼レフよりも圧倒的に近接撮影が得意ですので、非常に使い勝手が良いです。
例えば、コミナー80mmF3.7を装着した場合の最短撮影距離は、およそ35cm。
セコール105mmF3.5を装着した場合の最短撮影距離はおよそ58cmで、成猫の顔面がはみ出そうくらいまで近寄れます。
遠景撮影では蛇腹は最も縮んだ状態ですが、被写体までの撮影距離が短くなるにつれて蛇腹が大きく伸びていきます。
このようにレンズの繰り出し量を大きく稼ぐことができるため、マミヤCシリーズは他の二眼レフよりもより近くの被写体にピントを合わせることができるようになっているのです。
【二眼レフカメラなのに、多彩なファインダー】
筆者は動きある猫を撮影するときは、ウエストレベルファインダーからポロファインダー(アイレベルファインダー)へ付け替えをします。
二眼レフカメラ特有の左右反転したファインダーが苦手な方にはお勧めできるアクセサリーです。
また、後継機種マミヤC330 プロフェッショナルの頃には、時代に合わせて露出計が内蔵された「Cdsポロファインダー」「Cdsマグニファイヤーフード」なども登場しています。
【終わりに】
ダイアン・アーバス氏の作品をご覧いただければ、二眼レフカメラであっても、一眼レフに匹敵する作品も残せることに気づいていただけますと幸いです。
■猫の飼い主・敷地責任者の許可を得て撮影
モデル協力:ラッキーくん・コチョビくん・コウシちゃん・エリザベスちゃん・コナンちゃん・ピョンちゃん・コサビくん
■使用フィルム
イルフォード XP2 SUPER400