【フランジバックを越えていけ】OLYMPUS PEN F-LEICA MOUNT ADAPTOR

また頭が痛い。

まともじゃないブログほど頭が痛くなる。

決して病気ではございやせん。

やりたいことをやろうとした結果として頭が痛いんですわ。

昨年末にオリンパスPEN FボディでEFレンズを使うブログを書いたんですけど(以下リンク)
【は?】オリンパスPEN FシリーズにおすすめのEFレンズ4選

これがまぁまともじゃない内容で、令和のブログでも特に役に立たないブログの一つだと思います。

やはりこの類のブログは頭痛が伴って仕方がないのでベンザブロックが欲しいです。

もし綾瀬はるか氏に「あなたの風邪はどこから?」と聞かれた場合「私はオリンパスPEN-Fから」と答えようと思います。

はたして何色のベンザブロックをおすすめされるのでしょうか?

ちなみにベンザブロックと変なブログで韻が踏めてしまいます。

あれ、また頭痛いわ。

ということで今回はオリンパスからはるか昔に発売されていた純正のマウントアダプター・OLYMPUS PEN F-LEICA MOUNT ADAPTOR オリンパスPEN-FマウントにライカL(ライカスクリュー)マウントレンズを装着するマウントアダプターを使用してライカL(ライカスクリュー)マウントレンズを一眼レフで使用してみました。

ほら、また頭痛いやん。


【OLYMPUS PEN F MOUNT ADAPTOR L】

実際にマウントアダプターをご覧ください。

珍しく箱も取扱説明書も揃っている

自腹購入したんですわ。みなぎる好奇心のもと。

改めてPEN-Fのフランジバックの短さに感謝したい。

元箱の側面、箔文字で OLYMPUS PEN F-LEICA MOUNT ADAPTOR と表記されています。

¥3,000だそうです。いいなぁ。今の時代の格安マウントアダプターと変わらない値段。

大枚をはたいて買いましたよ。

無限遠がでないマウントアダプターをね。

FOR USE OF LEICA MOUNT LENS ON THE OLYMPUS PEN-F CAMERA BODY CLOSE-UPS ONLY
元箱に説明を書くのは親切ですね。無限遠が出ると思って買う人を避けるためかな?

接写でしか使えないけど、このマウントアダプターを発売するにいたった理由はなんなのか?

その当時のライカLマウントレンズが神格化されていたのか? お客さんからそういう要望があったのか?

真相がわからないけど、アタクシは大喜びしております。

昔のこのフォントが可愛らしくて良い

ピカピカなシルバーがかっこよろしい。

元箱がなぜ緑だったのか?少し気になる。

取付指標の赤丸とロック解除のLボタンのみのシンプルさが良い

可能な限り薄く作る必要があったため余計な要素はなく、取付指標の赤丸とロック解除用Lボタンのみです。

ただでさえフランジバックが逆なので当時の技術で薄く作ったんでしょうね。


【装着の儀】

数は少ないですが目の保養になると思いますので是非ご覧ください。

エルマー L5cm F3.5

最もボディバランスが良く携帯しやすい最高の組み合わせ

元々PEN-F用に供給されていた可能性を感じるぐらいにはボディバランスが良いです。

そして、PEN-Fとライカを知っている人からの二度見は避けられない目立つコンビでもあります。

W-NIKKOR・C L3.5cm F3.5

超接写しかできないためまぁ使い物にならないですが、バルナックに次ぐコンパクトさでエルマー同様ボディバランスが良いです

かわいらしくもありスタイリッシュであり、総じてシュッとしていて良い組み合わせです。

実際に最短撮影距離で撮影してみた写真が↓

最短撮影距離3.5feetで撮影

それを無限遠で撮影してみると↓

ピントリング位置無限遠で撮影

まぁ近いこと近いこと、後述しますが最短から無限遠までピントリングを回してもピントの合う範囲は約2cmしか変わりません。

正直常用はできないです。

見た目はいいんやけどな~。

NIKKOR-S・C L5cm F1.4

ガラスが詰まっているためお辞儀は避けられないです。フロントヘビーのため扱いも少々難しいです。

通常のLマウントレンズとは異なり最短撮影距離が1.5feet(約45cm)のこのレンズ。

距離計連動はもちろん1mまでですが、目測やライブビューでは1.5feetまで寄って撮影することが可能です。

ピントリング位置無限遠での写真をご覧ください↓

NIKKOR-S・C 5cm F1.4 ピント位置無限遠

ピント位置は無限遠にした状態だとレンズの全体像が写ります。

エルマーでもなんでもLマウントの50mmレンズであればこの写す範囲は変わりません。

それではこのレンズの最短1.5feetにして撮影した写真が↓

NIKKOR-S・C 5cm F1.4 ピント位置最短(1.5feet)

レンズの全体像はギリギリ写っていますが、余白が無くなりカツカツの写真になりました。

Lマウントでここまで寄れるレンズは少ないです。

寄れることにより。ミラーレス時代になって再評価されているレンズなのではないでしょうか。

知らんけど。

G Biogon 28mm F2.8 アベノン改造 L39マウント

時代がまったく釣り合っていない組み合わせ。さらには改造レンズということもあり装着困難

ブリンブリンの大きな後玉。芸術点高めの後玉。

大きな後玉はミラーボックスに干渉しました。

これだけ後玉がせり出しているとミラーボックスに干渉しマウントアダプターに完全にねじ込むことが出来ず装着できませんでした。

ハーフでビオゴン使ってみたかったなぁ。

ズミクロン L35mm F2 限定モデル

バルナックライカ用に限定で発売されたズミクロン 35mm ASPH バルナックには不釣り合いな重さ故にPEN-FTでもフロントヘビーです。

この世界で誰がズミクロンを付けてOVFで覗いているでしょうか。

接写しかできないことを除いては最も素晴らしい組み合わせだと思います。

さすがはASPHレンズ。ずっしりと詰まった重さです。

そして、このレンズ最後までマウントにネジ込むことができましたが後玉の突出がミラー駆動時に干渉しシャッターが切れませんでした。

約20cmぐらいの距離を覗くだけの高級文鎮でした。

ズミルックス L50mm F1.4 限定モデル

こちらもバルナックライカ用に発売されたズミルックス 50mmです。

最早暴力的な組み合わせ。PEN-FTにズミルックス頭悪くないか?

約36cm~45cmしかピントが合わないズミルックスです。

F1.4である意味はないです。

絞ったとしても被写界深度の浅いこと。

ズミクロンと比べるとシャッター切れるだけマシなんです。

以上

知識のない人がライカLマウントレンズがPEN-Fマウントに付いていると普通に見えると思いますが、知識のある人ほど意味のわからない写真だと思います。

そんな写真をライカM8.2とNIKKOR-S・C L5cm F1.4で撮影しましたが、ライブビューできるカメラが欲しいですね。

目測1.5feetで撮る面倒さ、パララックスのストレス、自分でもようやってると思いますわ。


【フランジバック問題】

フランジバックとは

撮像面(デジタルカメラのイメージセンサーもしくはフィルムカメラのフィルム)からカメラのマウント(ボディ側のレンズを装着する部分)までの距離のことです。

基本的にマウントアダプターを使用して撮影する場合は、フランジバックの短いボディにマウントアダプターを介してフランジバックの長いレンズを装着します。

そのマウントアダプターのおかげでフランジバックが合います。そして無限遠から最短撮影距離までレンズの距離指標に表記された通りにピントが合います。

しかしこのマウントアダプターはです。

PEN-Fマウントよりフランジバックの短いライカL39(スクリューマウント)のレンズをライカL39よりフランジバックの長いPEN-Fマウントに装着するアダプターなのでピントの合う範囲がズレます。

さらにマウントアダプターの厚み分さらにズレることになります。

それぞれのフランジバックは以下の通りです。

マウント名 フランジバックの長さ
PEN-F   28.95mm
ライカL 28.80mm
マウントアダプター装着時 36.2mm

ではマウントアダプター装着時にどの焦点距離でどれぐらいズレるかというと↓

レンズの焦点距離 最短撮影距離に合わせた時 ∞に合わせた時
35mm 約21cm 約23.5cm
50mm 約36cm 約45cm
85mm 約58.5cm 約107cm
135mm 約108.5cm 約268cm

レンズの焦点距離が望遠になればピントの合う範囲も増えていくことがわかります。

また、レンズの焦点距離は35mm判換算すると1.45倍相当になるので表記している焦点距離よりも望遠になるので基本的に接写になります。

これがCLOSE UPS ONLYの意味です。


【フランジバックを補う沈胴】

※このお話は決してマネをしてはいけませんのであらかじめお伝えしておきます。

※マネをしてレンズやボディが壊れたとしても誰も責任を取りません。誰も推奨していないことをご理解ください。

先程から耳にタコができるほど接写しかできないとお伝えしておりますが、接写しかできないのはフランジバックが正しくないからです。

ではマウントアダプターでフランジバックを調整するようにレンズを沈胴させればフランジバックを調整できるのではないか?

結果的にエルマーの通常使用状態から約9mmほど沈胴させれば無限遠にピントが合いました

通常使用状態

レンズ鏡胴をしっかりと繰り出してロックをしています。

無限遠にピントが合うように沈胴させた状態

絞り開放、ピントリングは無限遠でファインダーを覗きながら無限遠にピントが合うようにゆっくりと沈胴させました。

そしてシャッターも切れました。ミラーに干渉しなかったのです。

取扱説明書にも沈胴に関する記載はなく、あくまで接写しかできませんというスタイル。

正直驚きました。

さすがにミラーに干渉するとおもっていたからです。偏見は良くないですね~。

他のボディ、PEN-FやFVではどうかわかりませんが、アタクシのPEN-FTではミラーに干渉せずシャッターを切ることができました。

ということはですよ、このアダプターのおかげでハーフ判に限り約36cm~無限遠までピントが合うややマクロレンズみたいになるんですよね。

つまりはですよ、ハーフ判専用のビゾエルマーだと思えばわかりやすいかもしれません。ビゾエルマーも同じぐらい寄ることができます。

ビゾエルマーと違う点でいうと、焦点距離、ビゾフレックスやその他アダプターなどが必要なところでしょうか。

とにかくビゾフレックスシステムは重たくて使うのがしんどいです。

一転、こちらのエルマーは約75mmでやたら軽い

ただし絞りはレンズのフロント部分を見てから操作しないといけませんのでそこは面倒な点です。

細かい話ですが私物エルマーが大陸絞りなのでF値の考え方がやや不便です。

とにもかくにも特別な訓練をしているわけではないですが、基本的にはマネしないようにお願いします。

【作例】

※カメラのナニワ梅田2号店で現像&データ化したデータをそのまま使用しています
※使用フィルムはULTRAMAX400です

ズミルックス L50/1.4 限定モデル

F/1.4 SS1/30 ISO400

小魚のアチャールを最短撮影距離で撮影(約36cm)。

そもそもの最短撮影距離は1mでそれ以上寄ることを考えて作られてはいないのでクセが強めの描写になっています。

F/1.4 SS1/30 ISO400

レモンの塩漬けを同じく最短で撮影。

とにかく被写界深度が浅くどこにピントが合っているかもわからないほどです。

F/1.4 SS1/30 ISO400

ダルバートに並べられたカレーを撮影。

手前のダル(豆のカレー)にピントが合っていますが正直ピント面が薄すぎてわからないです。

F/1.4 SS1/30 ISO400

バートの上に乗ったパコラを最短撮影。

被写界深度の浅さがわかりやすい1枚

エルマーL 50/3.5 沈胴(コーティングなし)

F/9.0 SS1/500 ISO400

裏なんばのストリートを撮影。

レンズを沈胴させ無限遠にピントが合う状態にし撮影しました。

F/9.0 SS1/500 ISO400

道頓堀のあのカニもレンズを沈胴させれば問題なく撮影可能です。

F/9.0 SS1/500 ISO400

タンクトップとパンツなのか、それともつなぎなのか不明な大きいこの人もレンズを沈胴させれば問題なく撮れます。

F/9.0 SS1/500 ISO400

弊社と同じカメラを販売しているお店です。

もちろんピントを合わせて撮影可能ですが、ここは沈胴を駆使することによりあえてピントを外して撮影しました。

F/3.5 SS1/30 ISO400

西側の窓から差し込む光を撮影。

本当は夕焼けの色をしていましたが、撮影準備をしている間に陰ってしまいました。

F/9.0 SS1/250 ISO400

ゲリラ豪雨を降らせていた雲の合間に見えた夕焼けを撮影。

F/3.5 SS1/2 ISO400

窓越しに無限遠で夜景を撮りたかった1枚。

ピントを外した上にブレました。


いかがでしたでしょうか?

こんなわけのわからんブログを最後までご覧いただきありがとうございます。

残念ながら実用性の都合上作例のほとんどはエルマーになりました。

沈胴できないレンズは首からぶら下げていても1m以上遠くを取れないためなかなか撮り進みませんでした。

このブログのおかげでHEXAR RF 72やLeica 72などのレンジファインダーハーフカメラを買わなくて済むかもしれませんね。

もしくはライカスクリューマウントレンズを一眼レフで使用するユーザーが増えるかもしれませんね。

いやはや、レンジファインダーレンズを光学式ファインダーで覗けること、一眼レフで使用できることの喜びは一部の変態にしかわからない愉悦ですね。

この令和という世のカメラカテゴリーで放し飼いされ、常に最前線?を走り続ける若林が執筆いたしました。

ほなまた。