FILM作例 カメラのナニワ 京都店

MARIX 中判白黒フィルム 使用レビュー

はじめまして、カメラのナニワ京都店、新人の亀田です。

今回は、MARIX FILMさんよりご提供いただいた、新登場の中判白黒フィルム4種類の使用レビューをさせて頂きます。

 


今回MARIXのラインナップに加わったフィルムは、MARIX 100・MARIX 200・MARIX 400そしてMARIX ORTHO 400の四種です。
MARIXフィルム商品画像
MARIXさんのWebサイトには、それぞれのフィルムの特徴が記載されており、通常の100、200、400は以前より発売されている35mm判と同様、チェコのFOMA社が発売するFomapanをベースとしているとの事です。

Fomapanは以前にも使ったことがあり、特に100や200は安価ながらも、粒状性が細かく柔らかい階調感でお気に入りのフィルムでした。

そのFomapanが気軽に入手できるならこれは非常に嬉しい!

ですが、一つ気にかかるのは4つ目のORTHO 400。Orthoというのは簡単に言うと、赤い光の波長への感度を持たないオルソマティックフィルムの事です。

従来より、ローライのOrtho 25やイルフォードのOrtho Plus 80などがありましたが、
引っかかるのは"400"という高感度。

ん?そんなのあったっけ?という疑問を残しながら作例を見ていきたいと思います。


今回、撮影に使用したのは私物のフジカ GL690 Professional 69判のレンズ交換式レンジファインダーカメラです。
Fujica GL690画像
中判でレンジファインダーでレンズ交換式で探すと、言わずと知れた名機Mamiya 7やNew Mamiya 6、実はタムロンが世に送り出した唯一のカメラ・Zenza Bronica RF645などがありますがどちらも高価。

それに比べると比較的安価で流通しており、オススメですが話すと長いのでこちらについてはまた次回に。


【作例】

今回は現像はMARIXさんのWebページ記載の現像データに従い、自分でステンレスタンクで現像しました。

データ化はSigma fp に105mm F2.8 DG DN MACROでデジタルデュープ後、Lightroomで現像しました。

一応現像データを載せておきます。

MARIX 100: Rodinal 1:50希釈 9分 20℃ 
MARIX 200: Rodinal 1:50希釈 10分 20℃
MARIX 400: Rodinal 1:50希釈 11分 20℃
MARIX ORTHO 400: Rodinal 1:50希釈 11分 20℃

〇MARIX 100
MARIX100作例GL690 + Fujinon S 100mm F3.5
自転車のカゴ部分も良く解像しており、シャドウのトーンもつぶれずにいい感じです。

MARIX100作例GL690 + Fujinon S 100mm F3.5
難しい露出ですが、雲のトーンがギリギリ残ってくれてます。

MARIX100夜の作例GL690 + Fujinon SWS 65mm F8
夜の路上を三脚立てて換算28mmで撮影してると森山大道の気分になります。実質GRです。


〇MARIX 200
MARIX200作例GL690 + Fujinon S 100mm F3.5
4本の中ではこの200が一番粒状性と階調のバランスがいいかもしれません。

MARIX200作例GL690 + Fujinon S 100mm F3.5
中間トーンの豊かさがTシャツの白によく現れています。

MARIX200作例カフェ内GL690 + Fujinon S 100mm F3.5
京都店のすぐ近くにある美味しいコーヒー屋さんです。

MARIX200作例バスGL690 + Fujinon S 100mm F3.5
京都店らしい作例になったなと思います(笑)


〇MARIX 400
MARIX400作例 GL690 + Fujinon S 100mm F3.5
400はベースのFomapan 400でもよく言われますが、やや実行感度が低いような気がします。

2/3段分ほどオーバー目にたっぷり露光した方が良かったかもしれません。

少しコントラストが高く、粒子が粗目な印象です。

MARIX400作例GL690 + Fujinon SWS 65mm F8


〇MARIX ORTHO 400
さて、正体不明のORTHO400ですが、フィルムにはFOMAの印字が。

今まで、FOMAで同等のフィルムは見たことが無いので、もしかしたら最近リリースされたのかもしれませんね。
ORTHO400作例GL690 + Fujinon SWS 65mm F8
ORTHO400作例解像度切り抜き

まずは、中央の切り抜きを載せるのでご覧ください。

なんとこのフィルムとんでもなく微粒子です。ISO400でここまでの微粒子フィルムは中々ありません。
ORTHO400作例赤
GL690 + Fujinon S 100mm F3.5
お馴染みのコーラの赤い自販機が真っ黒になっています。これがオルソフィルムの特徴で、赤への感光性が無いためこんな風に黒く写ります

私はそんなにかっこよく使えませんが、赤い口紅の女性のポートレートに使うととてもカッコイイです。

ハイライトが少しふわっとしてるのも面白いですね。
ORTHO400作例ビール
GL690 + Fujinon S 100mm F3.5
ISO400あるとこういった薄暗い店内でも頼もしいですね。
ORTHO400作例GL690 + Fujinon SWS 65mm F8
入りたくなるのが人の性ですよね。

いかがでしたでしょうか?

まとめると、
100は適度な粒子間と階調で使いやすく、
200は微粒子で柔らかいトーン。
400は粗目の粒状性。
ORTHO400は赤が黒く写る特徴に加えて微粒子
といった印象です。

特にORTHO400は他にはないフィルムなのでぜひお試しいただきたいです。

以上、カメラのナニワ京都店の亀田でした。

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