こんにちは~。編集長 中村です。
今回はコイツをご紹介して参りたいと思います。
動画向け機種であるZ 30に、動画撮影時の操作性に優れたパワーズームレンズがキットとなって10月27日に発売されました!
超絶話題の新製品・Z fと同日発売のためちょっと影が薄いですが……。
こちら、毎度のごとくニコンさんからデモ機をお借りしてたっぷり堪能させていただきましたので、使用感をレビューさせていただきたいと思います~。
【Z 30のスペックを軽くおさらい】
【PZレンズキットが登場!】
【作例とともに使用感をチェック】
【VLOG動画作例も用意しました】
【あらためて使用感まとめ】
【どのレンズを選んだら良い?】
【派手さはないが堅実に使いやすい1台】
【Z 30のスペックを軽くおさらい】
過去に軽くだけまとめていますが、こちらご覧になられた方も「おさらい」でお付き合いいただければと思います。
まず、こちらのZ 30はZシリーズ最小・最軽量の機種で重さは約405g。
そのかわり、EVFはついておりません。
バリアングルモニター採用・タリーランプ搭載など動画撮影を強く意識したモデルとなっており、ZシリーズAPS-C機の中では録画時間の30分制限が唯一かかっていないというのも特徴です。
今どきの水準からすると少し控えめな数字には聞こえるかもしれませんが……。
昨今のスマートフォンの大半ですら4Kの画面解像度である3840×2160(約830万画素)をカバーできていないことを考えると、「普段使い」の機種としては十分なのではないかと思います。
ナウなヤングにバカウケの「VLOG撮影向けカメラ」スタイルってやつですね。
動画性能に関しては4K 30pまでノンクロップで記録可能。
某S社のVLOG撮影向けカメラは4K 30p撮影時にクロップがかかりますが、こちらのZ 30はそのようなことはありません。
まぁ向こうはボディ内手振れ補正機構が入っていますが、Z 30はレンズ側での手振れ補正のみになりますので一概にどちらが優れているかは決められませんが。
【PZレンズキットが登場!】
今年2023年5月に発売されたNIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VRです!
重量約205gで、Z 30のボディとあわせても約610gしかないのは本当に驚くべき軽さですね~。
画角としても広角端が換算18mm・望遠端が換算42mmと適度に幅があっていろいろなシーンで使いやすいのが魅力。
パワーズーム(電動ズーム)を採用しており、滑らかで均一な速度のズーミングができるため動画撮影時に便利な1本となっております。
カメラ・レンズが軽いため、ズーミングも含めて片手ですべて操作できてスチル撮影でも非常に使い勝手が良いです。
いい感じにZ 30とマッチした組み合わせとなっていますね~。
【作例とともに使用感をチェック】
ではまずは作例写真とともにスチルでの使用感を詳しくお伝えしていきましょう。
NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VRの広角端は12mm(換算約18mm)と非常に画角が広くなっていますので、旅先の風景などを撮影する際にも、空間を広くダイナミックに切り取ることができます。
機材の軽さも相まって「トラベルカメラ」として非常に高いポテンシャルがありますね!
こちらは広角端12mmで撮影していますが、歪曲収差も目立たない程度によく補正されています。
建物を撮ったりするのにも十分使えますね。
一方で望遠端は28mm(換算約42mm)とスナップなどでも使いやすい画角となっております。
絞り開放でもF5.6からになるのでボケを作りづらくはありますが……。
ある程度寄って撮ればこれぐらいにはボケます。
最大撮影倍率は0.21倍、最短撮影距離はズーム全域で0.19mと近接撮影も得意ですので、ボケが欲しいときはどんどん寄っていきましょう。
寄りやすく、テーブルフォトにも使いやすいのは良いところ。
飲み終わった後のエスプレッソを撮ってみた。
飲む前に撮るべきだった。
木漏れ日を撮ってフリンジの発生ぐあいをチェック。
わずかに色づきは見られますが、十分きれいに抑えられていますね!
続いて逆光性能をチェック。
思いっきりフレームに太陽を入れているため多少フレアが目立ちますが、実用上困るほどではないでしょう。
AF速度・精度もふつうに使ってて困らないレベルです。
動画撮影を意識したレンズということもあり、当然ながら駆動は静音かつブリージングも抑えられていますね。
このように全体的に手堅くまとまったいい感じのレンズとなっています。
【VLOG動画作例も用意しました】
動画機に動画用レンズが付いてるキットをレビューするのに動画作例がないなんてことある??
いや、そんなことは許されんやろ!! ということで血反吐を吐きながら撮ったVLOG作例がこちらでございます。
「すごく甘めに見積もって30点」くらいのクオリティではありますが、まぁそもそもVLOGって気軽に撮るものだと思うので……。
音楽はフリー音源だとなかなか限界があったので、Artlistを年間契約して利用しています。
30点のうち25点ぐらいはArtlistの音楽のおかげです。
本当にありがとう、Artlist……。
4K 24pで撮影し、フルハイビジョンで書き出ししております。環境音は内蔵マイクでの録音です。
最近ではわたくしDaVinci Resolveを有償版に切り替えたのでノイズリダクションもかけられるようになっているのですが、今回は使用していません。
タイムラプスは簡単に印象的なカットが撮れますし、カメラ固定で撮っておけばいいので誰でも撮りやすいのが魅力ですね。
そしてこのタイムラプス撮影も地味に某S社のVLOG撮影向けカメラには入っていない機能になります。
当然ながら動画素人のわたくしからすると、このしょーもない動画1本仕上げるだけでも途方もない負担です。
なので何が言いたいかというと、タイトルは「サボりルーティーン」って言ってるけどサボってないですということ。
マジで。
【あらためて使用感まとめ】
画素数こそ2088万画素と控えめながら、小型軽量で取り回しがよくて普段使いにはかなり便利なカメラだなと思います。
NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VRも片手でパワーズーム操作ができるので、コンデジ感覚で気軽に撮影できます。
片手だけで操作するときなどは本当にグリップの握りやすさに助けられますね。
そういう点でも普段使いや旅先での記録などに向いていると思います。
ただし、本体の電源を切ったりスリーブモードに入ったりするとリモコンの電源も落ちてしまうので、都度接続するのが若干めんどくさかったりする。
こういう時などはやはり便利です。
Nikon Zシリーズ共通のUIですが、これのおかげで気軽に動画が撮れます。
ただし、静止画撮影時にAモードで撮影していたら、動画撮影に切り替えてたときにAモードのままなのは少し面倒ですね。
動画撮影時はシャッタースピード固定で撮るのがセオリーですが、Z 30はシャッタースピード優先で動画を撮ることができません。
なので必然的に動画撮影時はMモードにせざるを得ません。
静止画撮影時もMモードにしておいてISOオートで調整、というような使い方だと楽かもしれませんね。
今どき当然ではありますが、USB Type-C端子で給電が可能です。
使用するバッテリーが小型のEN-EL25のため、そのままでの稼働時間は若干心許ないところはありますが……。
スマホ用のモバイルバッテリーなどから給電できるので、交換バッテリーをいっぱい持ち歩かずに済むのは楽です。
また、HDMI端子(Type D)から外部モニターなどへの出力も可能。
小型・軽量というZ 30の利点を活かせなくなるのでわざわざ外部モニターを付ける方はあまり多くないかもしれませんが……。
撮った動画素材をしっかりカラーコレクション・カラーグレーディングしたいという方は、ATOMOS NINJA Vなどを接続してApple ProResなどのフォーマットで動画収録することもできます。
前述の通り、今回の動画作例は内蔵マイクで音声を収録していますが、環境音程度なら外付けマイクなしでまったく問題ないです。
いろいろなところでテストもしましたが、ウインドファーを装着しておけば風切り音もかなりカットできるので便利ですね。
※ダメ押しですが、このウインドファーは別売りのアクセサリーで本体同梱品ではないのでご注意を!(Z 30発売直後は購入者向けキャンペーンで無料配布されていましたが)
ウインドファーにコールドシューが付いているので、これをつけてもアクセサリーを装着する箇所が潰れないのも地味にポイント高いです。
ただし、内蔵マイクは全指向性で後ろの音なども拾ってしまうため、人の声などを録る時は別途専用のマイクがあったほうがいいでしょう。
そのうえ、Z 30はマイク端子がないため、音をモニタリングしながら動画を撮ることができないという欠点もあります。
まぁ屋外での撮影時はRODE Wireless GO IIなどのワイヤレスマイクを接続して声を撮る方が多いでしょうし、そちらでモニタリングすればいいだけの話ですが。
特に今回の動画作例で使った「ドリーム」は暖色寄りでコントラスト低めの色合いになるのがけっこう気に入りました。
静止画でも動画でも、ハイライト(写真の明るい部分)重視で露出を合わせるとシャドウ(写真の暗い部分)が思いっきり暗くなってしまうことが多々ありますが……。
この「ドリーム」にしておくとシャドウをかなり持ち上げて見やすい画にしてくれるのでだいぶ便利でした!
【どのレンズを選んだら良い?】
一例としてNIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VRとNIKKOR Z DX 24mm f/1.7を比較対象にしてみましょう。
NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VRは換算約42mmまでしか伸びないので、ポートレート・人物撮影などに使うのは若干厳しいところがあります。
また、上の並べて撮った写真を見ていただいたら分かるように、沈胴式の16-50は12-28 PZの半分近いサイズに収まっているというところも見逃せません。
重量としては、16-50が約135gで12-28 PZが約205gなのでそこまで差はありませんが……。
とはいえ、「自撮りは焦点距離20mmが理想的」とよく言われますので、広角端が換算約24mmの16-50では自撮りするのにちょっと苦労するかもしれません。
また、12-28 PZはトライポッドグリップのリモコンでパワーズーム操作もできます。
トライポッドグリップを付けて自撮りや集合写真などを撮りたい方からすると、12-28 PZのほうが使いやすいのではないかと思います。
こちらのNIKKOR Z DX 24mm f/1.7は開放F値が1.7と明るいレンズのため、ボケを作りやすいのが大きなメリットです。
先述のとおり、12-28 PZは開放F値が暗いためなかなかボケを作れません。
いかにも「カメラで撮った写真」感じのボケを活かした写真を撮りたい場合、この24mm単焦点レンズのほうが適しているでしょう。
重量は約135gと軽量、12-28 PZとサイズもほぼ同じくらい。
Z 30をレンズキットではなくボディ単体で購入し、このNIKKOR Z DX 24mm f/1.7を合わせるというのも良い組み合わせでしょう。
デメリットとしては、このレンズは単焦点なのでズームができない点。
いろいろな画角に対応しなければならないシーンにはあまり向かないというのと、動画撮影時にズームでカメラワークを作ることもできません。
また、焦点距離が換算約35mmなので、トライポッドグリップに装着して自撮りや集合写真を撮るのはほぼ無理です。
こちらもご自身の用途に合わせた組み合わせを選んでいただければと思います。
【派手さはないが堅実に使いやすい1台】
デモ機をお借りしている期間、いろいろなところで「どうなん?」と聞かれたのですが、「ふつうに使いやすくていいっすよ」と答えていました。
EVFがないぶんカバンに入れても邪魔になりにくいですし、普段使いの1台としてなかなか重宝するのではないかと。
スッと出してサッと撮れるカメラをお探しの方は、ぜひこのZ 30 & NIKKOR Z DX 12-28mm f/3.5-5.6 PZ VRをご検討いただければと!
ナニワグループオンラインでももちろんお取り扱いございます。
ボディ・レンズともに中古品もございますのでこちらもご検討いただければ幸いです~!
それでは今回も最後までお読みいただきましてありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう~。
【おまけ】
ボツ素材です。万博記念公園のコスモス畑にて。
ZOOMのM3 MicTrakを付けて撮っているので若干環境音が控えめです。。
こちらのM3 MicTrak、ショットガンマイクの音質もいいし32bitフロート音源も撮れる、なおかつ安いというなかなかのスグレモノ。
ヘッドホン端子もあるのでZ 30の欠点も補えますしマジおすすめです。
まぁ在庫僅少でなかなか買えないところが難点ですが……。