皆さま こんにちは。 ナニワグループ 猫写真担当 見﨑でございます。
2023年、皆さまはどんな交換レンズをご購入されましたでしょうか?
筆者は、ケンコートキナーより発売されているソフト効果レンズ・LENSBABY VELVETを購入しました。
BCN+R(デジタル家電の実売データなどを提供するWEB媒体)によると、2023年における交換レンズの売上本数の上位は、シグマ・タムロン・ソニーが占めているようです。
かつて、交換レンズメーカービック3として「シグマ」「タムロン」「トキナー」が君臨してきましたが、近年の「トキナー」は、製品の広報活動も控えめな印象が強く、筆者はご紹介する機会を逃していました。
今回は競合他社が存在しない独特なソフトな描写を楽しめる「LENSBABY VELVET 85」について、休日を利用してブログ用にNHK情報番組「あさイチ」にも取り上げられた京都の猫たちに被写体になってもらいました。
それでは、猫作例と共に、製品の魅力についてご紹介してゆきましょう。
【レンズベビー ベルベットとは】
PENTAX K-S1 モデル:タクちゃん
一般的な撮影では、シャープネスの効いた解像度の高いレンズを好まれる方が多いですが、レンズベビー ベルベットは独特なソフトフォーカス効果により空気感や奥行き感をコントロールできる単焦点レンズです。
日本での発売元はケンコートキナーですが、製造元はアメリカ合衆国オレゴン州に本社を置くLensbaby社となっています。
現在のラインアップは、■VELVET28 ■VELVET56 ■VELVET85 で焦点距離28/56/85mmの3種類がございます。
PENTAX K-S1 モデル:はっちゃん
レンズベビー ベルベットのもうひとつの特徴として、最大撮影倍率0.5倍(1:2)のハーフマクロ機能も有しています。
ピント合わせはマニュアルフォーカスを採用し、フォーカスリングには十分な幅と十分な回転角度がありますので、近距離撮影においても、厳密なピント調整ができます。
【ソフトフォーカスフィルターとの違いは】
富士フイルム X-T1 モデル;ソラちゃん
ソフトフォーカスフィルターは、フィルターの表面に凹凸状の非常に小さなレンズを配置または、非常に小さなキズを形成することでフレアーを発生させます。
利点として、交換レンズの絞り値に左右されることなく、ソフト効果を維持できる点にあります。
富士フイルム X-T1 モデル:はっちゃん
一方、ソフトフォーカスレンズ VELVETは、球面収差を敢えて残したレンズを使用することで中心部では芯のあるしっかりとした描写をしながら周辺部にいくにしたがいソフトで美しく、立体感のあるボケ描写を実現しています。
利点としては、絞り値によって、ソフト効果・フレアーの出し方を調整できるので、作風に幅が広がります。
【絞り値による効果の比較】
PENTAX K-S1 絞りF1.8
VELVET85の開放絞りはF1.8です。
開放絞り値にすると、非常にふんわりとしたソフトフォーカス効果が最も強く出ます。
また焦点距離85mmの中望遠レンズによる前後のボケ感も柔らかく表現されます。
PENTAX K-S1 絞りF4.0
絞り値F4以上に絞ると、ソフトフォーカス効果は徐々に薄れはじめ、F5.6~F8では通常の中望遠レンズとしても活用できます。
1本の交換レンズで、ソフトフォーカスレンズと通常の85mmレンズの2本分の使い分けもできます。
【一眼レフ用マウントもラインアップ】
PENTAX K-S1 モデル;タクちゃん
現行商品のマニュアルフォーカスレンズの傾向として、ミラーレスカメラ用のみで商品展開しているメーカーを見かけます。
VELVET85については、従来のフルサイズ一眼レフカメラ愛用者にもご利用いただけます。
PENTAX K-S1 モデル:ソラちゃん・タクちゃん
筆者は、ペンタックスKマウント用を購入し、光学ファインダーで楽しんでいます。
但し、光学ファインダーでピント合わせをする場合、開放絞りではソフト効果が強くて、ピントの山が見極めにくいので、慣れるまでは、F2.8くらいでピント合わせをしてみると良いでしょう。
また、当レンズには電子接点は設けていませんので、機種によっては「レンズ無しレリーズ:可」へ設定をしてください。
【最後に】
富士フイルム X-T1 モデル:はっちゃん
猫撮影をはじめて、およそ28年。これまでソフトフォーカスレンズでの猫撮影は1度もありませんでした。
外気に晒されながら生き抜く地域猫・外猫を表現には向いていないだろうとカタログなどの作例で思っていました。
今回、購入したきっかけは、筆者の愛用機材ペンタックスK-S1・K-30・Z-1・SFXに対応し、「マニュアルフォーカス」「金属鏡筒」「メーカーのアフターサービス対応:可」で
改めて調べなおしたところ、ベルベットシリーズに辿りつきました。
はじめてのソフトフォーカスレンズで、通常の交換レンズとは異なる光と影の配置を考えているうちに、地域猫・外猫に対する慈しみを表現できる魔法のレンズとして、筆者の定番レンズとして仲間入りさせた次第です。
カメラのナニワ・レモン社・タカチホカメラの各店舗では、中古市場では珍しい交換レンズも展示販売しています。
例えば、ソフトフォーカスレンズなど、実際に操作してみないと効果がわからない商品も、在庫がある分については、店舗にてお試しいただくこともできます。
皆さまお誘い合わせのうえ、ご来店をお待ち申し上げます。
■撮影協力してくれた猫たち
はっちゃん・タクちゃん・ソラちゃん
■使用機材
ペンタックス 一眼レフカメラK-S1
富士フイルム ミラーレスカメラ X-T1