【4ヶ月使ってみた】GR IIIx HDF 使用レビュー

【普通】って何ですか?

皆様お気づきの通りアタクシは変わり者でございます。

もちろん類は友を呼ぶので周りも変わり者ばかりです。

普通の友達が欲しくてマッチングアプリを始めようと思うレベルで普通を求めています。

普通の人の口から出てくる Purified Normal Answer こそが求めている普通の一つだと認識しております。

そんな普通とは相反する変わり者が普通の製品レビューを行います。

今回はGR IIIxの普通じゃないバージョンのGR IIIx HDFのレビューです。

レビューというか出回っている作例が少ないから「こんな写真が撮れますよ~」っていうのを見てもらえたらって思っています。


【GR IIIx HDFの特徴】

まず新品のGR IIIx HDFはリコーイメージングストアのHPでの抽選販売のみです。※2024年9月時点

弊社のような中古販売カメラ屋で新品を予約や購入していただくことはできませんのでご注意ください。

さて、HDFとは何ぞやってお話ですが、以下リコーさんのHPより引用いたしました。

HDF(Highlight Diffusion Filter)は、リコーが長年培ってきたインクジェット技術を用いて印刷を施したフィルター。ハイライト部が拡散され、ハイライト部周辺がにじむのが特徴です。

夜などの暗い時に撮影すれば効果が非常にわかりやすいです。街灯などの明るい光が滲むためです。

また通常モデルとは異なりレリーズボタンがグレイッシュシルバーに変更されています。

かといってパッと見で通常モデルとの見分けは困難です。

公式HPにGR III HDFおよびGR IIIx HDFの特設サイトがあり有名写真家さんの写真作例やHDFモデルに関しての特徴がまとめられておりますので是非ご覧ください

https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/gr-3/special/hdf/


【余談】

気づいている人は一部いらっしゃると思いますが、GR IIIx ってデジタル版のオリンパス TRIP 35なんですよ。

センサーサイズは違えど40mmのF2.8で画角とF値は同じです。どちらも共通してストロボを内蔵しておりません。

GR IIIから内蔵ストロボが省略されてしまったため、ストロボを内蔵していたGR IIのように使用したければ別でストロボを購入する必要性があります。

しかし、小型のGRのサイズに合うストロボは限られます。

ということはTRIP 35やEE-3用のストロボ Electronic Flash P11が最高にフィットするんじゃないかと思ったんですよ。

GR IIIx HDFとElectronic Flash P11

P11は高さがなく横長ですがGR IIIxのボディから少しはみ出してしまう長さです。

40年前のストロボですからTTLができるわけでもないオフストロボももちろんできません。角度調整もありません。

GN11でただ小型のストロボなんです。GNを計算するか絞りや被写体との距離を調整して使用する他ありません。

ただデジタルなので撮り直しが効くためなんとでもなります。

実際P11を使用して撮影した作例が↓

F/5.6 SS1/30秒 ISO100

どこか縄文人感ある友人らを撮影。

このような夜のシチュエーションであれば背景のハイライトが滲むように露出を合わせて撮るとよさそうです。

それにしてもピースがキショいです。

F/5.6 SS1/20秒 ISO400

みちのく民俗村の旧菅原家住宅にて撮影。

外光が頼りにならない暗さだったので使用しました。

正直感覚としては写ルンですでフラッシュ使うときと似ています。

最近小型のストロボがちらほら新品で発売されているのでそちらを入手される方が絶対に良いです。なぜならP11はそもそも中古市場で見かけることが少ない。そして40年以上前の商品のため動く保証がないからです。

それでも欲しい方は根気よく探してください。


【比較】

HDFあり無しの比較は必須ですよね。

F/8.0 SS30秒 ISO100

F/2.8 SS1/1000秒 ISO100 -0.3EV

露出はそれぞれ同じで撮影し、フィルター有りと無しの画像を並べ一枚の画像にしました。上がフィルター無しの通常画像、下がフィルター有りの画像です。

1枚目の夜の長秒露光の写真は比較としてすごくわかりやすくハイライト部分の変化が大きいです。

2枚目の写真は比較画像としては没レベルにわかりづらいです。

ざっくりいうならHDF無しで撮影した写真はシャキッとしていますがHDF有りの写真は全体的にコントラストは低いです。

夜の明るい光が目立つ状況ではHDFの効果がしっかりと体感できます。


【作例】

※Jpeg撮って出しです
※ホワイトバランスはオートホワイトバランスです

F/8.0 SS1/1000秒 ISO100

まずはイメージコントロール モノトーンの写真から。

ハイライトが滲むと言われているのでとりあえず撮りたくなるのは水面の反射。

写真の下側の反射はとてもわかりやすく滲んでいます。

F/2.8 SS1/50秒 ISO400

通常のモノトーンでHDFを使用すると

イメージコントロールのソフトモノトーンに近くなるかもしれません。

F/2.8 SS1/100秒 ISO400 -0.7EV

マクロモードを使用し撮影。

ゴミ袋に入った空き缶にウットリしてしまいました。

F/2.8 SS1/100秒 ISO400

堺にあるdtree galleryにて展示されていた甲田彩恵さんのガラス作品。

格子窓から差し込む夕陽に照らされています。

写真右側に写っているグラスは一つお迎えしました。

F/4.0 SS1/50秒 ISO100

ここからはイメージコントロール スタンダードです。

HDFの効果を体感するために露出オーバーで撮影。

青空が白飛びし葉の間の光はHDFによりホワッとしております。

F/8.0 SS1/160秒 ISO100 +0.7EV

木々はしっかりと描写されていますが、光に照らされているビル群は全体的にやんわり滲みコントラストが低めです。

F/4.0 SS1/125秒 ISO100

歩道の木漏れ日を撮影。

HDFにより都会の歩道も柔らかい雰囲気になります。

F/7.1 SS1/320秒 ISO400 +0.3EV

木漏れ日とは言い難い木と木の間を通る光に照らされた人を撮影。

周りにある木漏れ日自体はそこまで滲んでませんが、服や光が強く当たっている部分はしっかりと滲んでいます。

F/4.5 SS1/40秒 ISO320 -0.3EV マクロモード

マクロモードで左指のネイルを撮影。

窓から西日が直接当たり全体が柔らかい雰囲気になりました。

F/2.8 SS1/20秒 ISO800

デパコス狂いのアタクシが大好きなコスメを並べて撮影しました。

写真中央にあるサンローランのプレストパウダーは真っ白のため滲んでいますが、その左隣にある同じサンローランのブロンザーは茶色く暗いため滲んでいません。

F/5.6 SS1/200秒 ISO400 -0.3EV

フィルター有り無しで比較していないため明言できませんが、HDFのおかげか全体的にしっとりしている気がします。

F/8.0 SS1/125秒 ISO400

夕陽がマンションを照らしノスタルジックな雰囲気に。

F/2.8 SS1/10秒 ISO800

日が沈んだ後の綺麗な綺麗な焼けを撮影。

写真右下にある看板の光が滲んでいるのがおわかりでしょうか?

F/6.3 SS1/50秒 ISO400 -1EV

都会から離れた住みよい町の黄昏時に撮影。

街灯のハイライトが滲み、雲の色が最高に良いです。

F/2.8 SS1/25秒 ISO1600

エブリデイイルミネーションの場所で撮影。

クリスマスかと錯覚しかねない年の瀬感ある写真です。

F/11.0 SS6秒 ISO100

ギリギリ梅田であり、ギリギリ中津でもある歩道橋から長秒露光。

光跡より街灯のライトがしっかりと滲みました。

F/16.0 SS1/8秒 ISO100

HDFモードで撮影した花火です。

HDFモードですが花火はあまり滲まず拡大しないとHDFが効いているかどうかわかりづらいです。

F/2.8 SS1/30秒 ISO1600

今年に入って2本目のビニール傘越しに水滴を撮影。

あれだけ増やしてはいけないと思っていたのに増やしてしまいました。

水滴の質感が水銀のようで美しいです。


いかがでしたでしょうか

【4ヶ月使ってみた】とタイトルで謳いましたが、いうてGR IIIxなんですよね。

これが全く違う新製品であればまた言及することがたくさんあったんでしょうけど。HDF抜いたらただのGR IIIxになっちゃいますからね。

強いて言うならHDFを活かすという意味で夜にポートレートスナップで使用することに向いていると思います。

作例は撮って出しのみなので作例の感じからRAW現像できると考えてもらえればと思います。

GRはサブとしてもメインとしても務まる本当にすごいコンデジです。

アタクシはもう重いカメラ持ち歩きたくないのでメインカメラになっています。

ブログ読んでええやんって思った方はぜひ抽選に応募してみてください。

ほなまた