こんにちは~。編集長 中村です。
そろそろ2023年も残りわずか。巷では今年のまとめとして「2023年買って良かったモノ」的なコンテンツがいっぱい出ていますが……。
今年一番の買い物・ZV-E1は先週のクリスマスマーケットブログで話をしちゃったので……。
今回は、「2023年 買いたかったけど買えなかったモノ」のお話をしていこうと思います。
【FUJIFILM X-S20の衝撃】
まぁ完全にこいつのことですね。FUJIFILM X-S20です。
5月24日のX Summit BKK 2023で発表されたカメラですが、製品情報を見てわたくしは「そう来たか~……」となりました。
FUJIFILM製品は従来、イメージセンサーと画像エンジンを同世代のものセットで搭載することが続いてきました。
わたくしが現在使用しているX-S10はイメージセンサーがX-Trans CMOS 4・画像エンジンがX-Processor 4です。
2022年には第5世代のイメージセンサー・画像エンジンを積んだX-H2S・X-H2・X-T5などの機種が登場しました。
X-H2Sは回路部と受光部を独立させることで高速読み出しを可能にした積層型センサーのX-Trans CMOS 5 HSを搭載。
X-H2・X-T5は大幅に高画素化した4020万画素のX-Trans CMOS 5 HRを搭載しております。
これら3機種はいずれも最新の画像エンジン・X-Processor 5が載っています。
X-S10の後継機が出るとしたらこれらの仕様を踏襲したものが出るとわたくしは勝手に推測していたのですが……。
なんとX-S20、画像エンジンは新しいX-Processor 5になっているものの、イメージセンサーは据え置きでX-Trans CMOS 4のままという異例の組み合わせで登場しました。
【第5世代デバイス搭載機の使用感について】
「X-Trans CMOS 4になんでそんな反応するの?」という方が多いと思いますが……。
それはX-Trans CMOS 5 HS・X-Trans CMOS 5 HRを搭載したカメラを使ってみて、若干思うところがあったからでございます。
上の写真はX-H2Sで撮影したもの。
積層型のX-Trans CMOS 5 HSを搭載しており、画像エンジンもX-Processor 5になって被写体検出AFが格段にパワーアップしたカメラであるため、飛んでいる鳥を撮るのにも十分使えるスペックとなっています。
しかし、何とも言語化しづらいのですが……なんか今までと色がちょっと違う気がする。
今まで使ってきたX-T20とかX-S10と比べて、色とかトーンが「なんか違う」という違和感が拭えない。
性能的には特に不満がないどころか非常に優れたカメラだとは思うのですが、FUJIFILMのカメラを使っているのに撮って出しの色がしっくりこないというのはなかなかつらいものがあります。
X-Trans CMOS 5 HRを搭載したX-T5もちょっと使わせていただきましたが、4000万画素クラスはやはり画の緻密さが違います。
なぜかこちらはX-H2Sのような色の違和感もなかったため、非常に魅力的なカメラなのですが……。
jpg 1枚で18~19MBと激烈にファイルが重たいのが難点。
ファイルの容量についてはカメラの設定で画像サイズを小さく指定すればいいだけですが……。
X-Trans CMOS 5 HRはローリングシャッター歪みが若干強めに出るのもちょっと気になるところです。
上の写真はXF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WRのテレ端で機材振ったときの画像なのでおそらく普段使いで写真を撮るのには問題ないレベルだとは思うのですが……。
動画撮影時にどれだけ目立つかどうかは未検証なので、まだいろいろと要検討かなと。
X-H2はまだ全然触れていませんが、動画デジタルズームや8Kオーバーサンプリングの4K HQがどんなものなのかはかなり気になっています。
このあたりも今後検証していく予定です。
【X-S20の良いところ】
で、X-S20のお話に戻りますが、第5世代機に「ちょっと違うかな……」という感想を抱いていたわたくしからすると、「そうそうこれが欲しかったんだよ!」といった感じの魅力的なカメラです。
X-S10と同じくイメージセンサーはX-Trans CMOS 4のため撮って出しの色で困ることはありませんし、画像エンジンはX-Processor 5に進化しています。
従来までのFUJIFILM機ではAF精度・速度がネックとなることが多かったですが、X-Processor 5搭載機はそれが大きく改善されました。
こちらはX-S20発表直後にデモ機をお借りして撮影した写真。
飛んでいる鳥をきっちりAFが追従して撮影することができました。
X-S10でもシングルAFの速度自体はそこそこ速くて「ふつうに」使う分にはそんなに苦労しなかったのですが……。
中級機クラスのX-S20でもここまでAF性能が強力になって、誰でもカメラ任せで動体撮影ができるような時代になったことに驚きを隠せません。
そして2023年から徐々にミラーレスカメラで動画撮影を試みているわたくしからすると、X-S20にヘッドホン端子が追加されたのはかなりありがたいポイントです。
動画初心者からすると「音もちゃんと録れてる??」というのは非常に心配なポイントなので、ヘッドホンで録音モニタリングできないカメラとか怖くて使えないっす。
X-T5もヘッドホン端子がないので正直ちょっと厳しい。
という具合に、X-S20はわたくしにとって確実に今よりも静止画・動画撮影を楽にしてくれるカメラであることは間違いなかったのですが……。
【じゃあなんで買わなかったのか??】
X-S20発表時、すでにコイツをもう注文しちゃってたからさぁ……。
動画撮影用のミラーレスカメラついてどれを購入するか散々検討を重ねた結果、清水の舞台から飛び降りるつもりでSONYのZV-E1を注文したのが4月末ぐらいのこと。
5月24日のX Summit 放送時には、自分の選択が正しかったのかどうか期待と不安で胸がいっぱいになりながら納品待ちの段階でした。
なのでここだけの話、X-S20の情報を見て「これは……判断ミスったやつか??」とわりとガチで落ち込んだという……。
誤解のないように言っておきますが、ZV-E1は買って良かったカメラだと今のところわたくし思っています。
α7S IIIと同等の高感度耐性・AIプロセシングユニットによる業界最高レベルのAF性能・サードパーティーレンズを含めEマウントレンズ選択肢の多さなど、良いところは挙げたらキリがないほどです。
しかも、YouTubeで動画初心者お助けコンテンツを見ようと思ったら、大抵はSONYのカメラで解説されていることがほとんど。
そういったところを鑑みると、ZV-E1を買ったのはそれはそれで正解だったなと。
でもな~やっぱりわたしはFUJIFILMのフィルムシミュレーションが好きなのよ……。
また、SONYで撮った写真をLightroomでいじくり倒してもFUJIFILMの撮って出しよりも微妙な色にしかならないという事態も多々ありまして。
当たり前ではありますが、用途とか気分によって使い分けが必要だなと思っております。
なので、やっぱりX-S20がほしい!!
【目下の問題:受注停止してる】
とはいえ1つ大きな問題がありまして……2023年10月27日からX-S20は日本国内での新規受注停止となっています。
買えないじゃん……。
X-S20と同時に受付停止となったX-T5ですが、12月14日にはブラックのみ受注再開になっています。
一方でこちらも供給不足のため2022年11月17日に受注停止となったX100Vですが、受注再開されないまま1年以上が経過しています。
X-T5のように供給が早々に再開されるのか、X100Vのように受注再開の目途が立たないまま1年以上経過してしまうのか……。
X-S20の供給が今後どうなるのかは、まったく予想がつきません。代替の選択肢としてX-H2SやX-H2を再検討したりもしていますが、手元にはまだX-S10もあるのでそこまで急いで考えなくてもいいかなと思いつつ。
時間をかけていろいろ比較検討して、その過程でまとめた情報もコンテンツとして発信していければとは考えております。
【FUJIFILMさん これからも応援してます!】
という具合に少しネガティブなお話もしたりしましたが……。
こういう状況だからこそ、「FUJIFILMさん頑張ってください! 応援してます!!」というのは本当に思っています。
いろいろとご苦労をされていることでしょうけど、これからも魅力的なカメラをどんどん作っていっていただきたいな、という気持ち。
あ、これも念のため言っておきますが、もちろんFUJIFILM以外のカメラメーカーさんも応援してますとも。
メーカー各社様、いろいろと素晴らしい製品を世に送り出していただきまして、本当にありがとうございます!
いろいろな製品のご紹介を通じて皆様に適したカメラ選びのお手伝いができればと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします~!!
それでは2023年も皆様たいへんお世話になりました。
2024年にまたお会いしましょう~!!
【おまけ】
最近はX-S10にとあるレンズを付けてめちゃくちゃ使っています。
こいつも来年まとまった記事にしてご紹介できればと思っておりますので、乞うご期待!