リコーGRシリーズは、GR1の誕生から数えて30年ちかくもの間、常に人気のスナップシューターで、デジタルになってからもそれは変わりません。
その中で今回は2代目(R1を含めるかどうかはいろいろご意見のあるところだとは思いますが)、GR1sについて取り上げます。なぜたくさんあるGRシリーズの中でGR1sかというと、家にあったからです(このパターン、何年か前にも使ったなあ)。
さて!GR1sがスナップ撮影に良いところは、GR1vより安くて、GR1より壊れていないってところと、
○コンパクト
○物理スイッチの安心感と速写性
○レンズの描写がよい
てとこだと思います。
では順番に(クリックしたらピューンとはいかないわよ!)。
◯コンパクト
どれくらいコンパクトかというと、フィルムのパトローネより薄い(と、ネットに書かれていたので、どうもそうらしい)のです。
パトローネより薄かったらフィルム入れられないのでは?
ごもっとも。そりゃそうです。そんなことは高校の微分・積分が10段階の3の成績で、化学の試験で4点を取ったことのあるワタクシでもわかります(ほっとけ!というか関係なくない?微分・積分と化学)。
こういうことです。
パトローネが入る部分以外の「カメラの中心部が薄い」ということだと思いますが、うーん微妙、いや薄いか。
正確な数値まではわかりませんが、パトローネと同じくらいの厚みで、常に持ち歩いてもいいと思わせるコンパクトさということは間違いなく、ポケットに入れておいて、サッと出してパッと撮れる速写性がスナップに最適です。
でもワタクシのおすすめポイントは、その薄さもさることながら、パトローネを入れるために少し厚くなった部分にあります。
その少しのでっぱりがグリップ感をとてもいい感じに高めてくれます(あー、語彙力ない!ので、写真でどうぞ)。
できるだけ小さくするための工夫がグリップ感も高めてくれるという、さながらゴミ処理場でゴミを燃やす時の火の熱で水を温めて温水プールにするような感じです(いや、何がさながらやねん!ぜんぜんちゃうやろ!)
ちょうど膨らんだ部分が右手親指の腹に当たるのですが、なんかものすごくしっくりくるので、写真撮るのも忘れて親指の腹でカメラをなでなでしてしまいます(なんかコンプライアンス的に色々問題あるような)
で、「コンパクト」とは関係ないんですが、グリップのお話のついでに……。
GR1sのボディはマグネシウム合金でできているそうですが、そのサラサラとザラザラの間の触感が好ましく、これまたなでなでしてしまいます。
手や鼻の脂分が残りにくく、キズが目立たないところもポイントです。
◯物理ダイヤル/スイッチの安心感と速写性
プログラムと絞り優先のモード切り替えを兼ねた絞りダイヤル、露出補正ダイヤル、ストロボのオン/オフ切り替えともに物理的に動かすダイヤルまたはスイッチなので、一目で設定が確認でき、電源をオフにしても設定が変わらないところがスナップに向いています。
◯そして何よりもレンズの描写がよい
まあいろんなところで言われているので今更の感がありますが、写りが抜群です。
リコーでは、その先行機種であるGR1の開発当時「一眼レフ用交換レンズ と同等以上の画質の実現をめざして開発された(リコーHPより)」と言っていたようで、描写には定評があります。
特に感心させられるのが、プログラムで撮影する際に、写りが甘くなる絞りF2.8にはならず、写りの良いF4までしか開けてくれないことです。
そこまで描写にこだわるのか!(というか、2.8まで開けてくれてもよくない?)
写りはシャープで色はあっさりめ。個人的にはもう少しこってりめの色が好きですが、街のスナップなどではこのくらいがちょうどいいと思います。
では、以下GR1sで撮影した写真をどうぞ
と、ここまでおすすめポイントを書いてきましたが、いいところばかりではありません。よく言われるのが、
○液晶が弱い
ボディ上部、ファインダー内ともに液晶が弱く、まったく問題なく表示できている個体をもう10年以上見ていません。
上面の液晶はバックライトがブルーで、なんかカッコよくてワタクシ好みなんですが、場合によってはなんの表示も出ないので(フィルムカウンターさえも!)まるでカリブの海原のようです(行ったことないけど)
欠けた液晶で一生懸命に何かを伝えようとしているところがけなげです。でもあと何枚撮れるのかまったく想像ができません。
ファインダー内ではおよそのピント位置、シャッタースピード、露出補正の有無が表示されますが、持っている2台のうち、一つはピント位置と露出補正マークが出ず、もう一つはシャッタースピードの一部とピント位置の一部が表示されません。
○モルトが弱い
フィルムの在否確認窓からの光漏れを防ぐモルトと呼ばれる、まあ言ってしまうとスポンジがペチャンコになります。
本当は厚みと弾力があることでパトローネに密着して光が漏れないようにしているのに、ペチャンコになることで隙間ができ、そこから光が漏れ入ってしまうのです。
ちゃんとモルトに厚みのある個体をもう10年以上…以下同文。
自分でモルトを貼るのが面倒なので、遮光性のあるパーマセルテープを内外から貼っています。
ここにテープを貼ってしまうと、透視の能力のない人には何のフィルムを入れているのかがわからなくなります。貼った当初は
「フィルムなんて何が入っててもオレのフォトグラフには関係ないぜ」
とイキがっていましたが、この前ずうっとカラーだと思って撮影後に蓋開けたらイルフォードのモノクロフィルムがこんにちはしてくれました。
が、たぶん、オレのフォトグラフには関係ないんじゃないかと思います。
で、あとあんまり言われてないのですが、
○フードをつけるとコンパクトにならない
GR1からの改良点としてフードがつけられるようになったことが挙げられますが、フードをつけたらポケットに入らない!
あのネコ型ロボット国民的キャラクターのポケットならいざ知らず、人型人間友達二人だけ(飼いネコ含む)のワタクシのポケットには入りません。
「なんかこの写真を見てると、これまでのより適当に撮られた感があるなあ。もしかしたらこれまでの写真はスタジオで撮った写真だけど、これだけ撮るの忘れて、もう1回スタジオで撮るの面倒だからカメラの売場で適当に撮ったんじゃないか」と思ったあなた!心が汚れていないか一度診てもらった方がいいかもしれませんね!
そして「2台もおんなじカメラ買ってバ〇じゃないの?」と思ったあなた!
甘いわっ!
弱点も少なくありません。でもでも、こんなふざけたブログより、これを読んだら欲しくなっちゃうかもよー(書いてあるのはGR1のことだけど)。
それではまたまた~