CP+2024会場レポート【RAID編】

こんにちは、京都店の亀田です。

引き続きまして、CP+のレポートをしていきます~。

【RAIDブース】


RAIDと聞いてすぐに、「あー、あそこね」となる方は既に中々の情報通かもしれません。

RAIDは動画系の機材を中心に様々な用品を扱っている企業ですが、一番有名なのはアメリカはカリフォルニア州の、RED DIGITAL CINEMA COMPANYシネマカメラシリーズではないでしょうか。

今回もV-RAPTOR [X]8K VVをはじめとして様々な製品が展示されておりました。

私は残念ながらスチル畑の人間なのであまりこちらの分野に明るくはないのですが、触っているだけでもわくわくします。

REDの特筆すべき特徴と言うとやはり、グローバルシャッターの採用と独自規格の圧縮RAWではないでしょうか。

こちらのV-RAPTOR [X]8K VV17+ストップと言う驚異的なダイナミックレンジを実現しています。

その実力と言うのはグレーディングなどの過程で一番感じられるのだろうと思いますが、展示機のモニターに映ってる映像を見るだけでも他とは一線を画す絵作りです。

モニターに映る自分が香港映画のスターに見えました。

気のせいか……。

さて、そんなRAIDブースですが、今年の目玉と言うべきものはこちら。

新興の中国メーカーThypoch(タイポッシュと読みます)のライカMマウント用レンズ3本です。

まずは28mm F1.435mm F1.4を擁するSIMERAシリーズ

こちらは沼の住人の方は一目で気づくかと思いますが、絞りを変えると、連動して被写界深度スケールが色づいていく仕様。

そうです。あの銘玉アルパ用交換レンズのKern Macro-Switarの様な仕様です。
これだけでも欲しくなりますよね~。

マウントアダプターを介してのミラーレスの使用ももちろんお楽しみいただけますが、ライカM型ボディでも距離計連動ブライトフレームの枠表示もしっかり対応しております。

また、距離計連動する最短の0.7mでクリック感を残し、28mmは最短で0.4m35mm0.45mまでの近接撮影も可能と近年のライカ純正レンズのような機構も搭載しております。






絞りもほぼ真円でした。

お次は、50mm F2EURECA。沈胴仕様のレンズです。

こちらはかつて英国のコピーライカReid(コピーの域を超えていますが……)用に開発されたTaylor-Hobson 2ich F2のオマージュ品。

もはやレアすぎて実物はお目にかかった事さえありませんが、本で見た外観とはそっくりです。

キャップの作りもかなり本家に近いような気がします。

ここ数年、歴史的レンズの復刻のブームが来ていますが、中々渋いところをついてきます。

たまたま横にいらした方がライカM Typ.240につけていたので撮影させていただきました~。

そしてなんと我々がブースを訪れていたタイミングで、RED公式のこちらの冊子にも作品を提供されている写真家柏木龍馬氏にもお会いすることが出来ましたので少しお話を聞かせて頂きました。


柏木氏は現在、RED KOMODO XAPO SUMMICRON 50mm F2の組み合わせでスチル撮影をされているそうです。

はい、そうですスチル撮影です。

KOMODO X最大6K/80Pの解像度とフレームレートで撮影可能で、さらには、グローバルシャッターを採用しているので動体歪みとも無縁。

そして16.5+ストップというダイナミックレンジ。

もはやフレームを切り出しても写真として十分通用してしまうわけですね。

柏木氏はフランスで開催されるル・マン24時間耐久レースの撮影にも携わっておられるそうです。

会場で配布していた冊子にもその撮影の作品が掲載されており、どの作品も赤の深みがとても印象的でした。

何より、50mmでドライバーの顔がわかる距離ってどこから撮ってるんだ? と思ったらなんとマシンから1-2mの距離まで近接しているそうです。

こっわ……。

それをこのフレームレートで回してしまうとセレクト作業はどうなってしまうんだ……と想像だけで頭を抱えそうになる我々ですが……。

その疑問を投げかけたところ、柏木氏は手のひらを我々の前に掲げて、
「例えばこの会場のマスターの照明はこれですよね?こっちではなく」
と、手のひらを動かしながら、
「何百カットあっても、ベストなライティングは一瞬しかないのでその数カットを選ぶだけなんで簡単ですよ。」
とおっしゃいました。

なんでしょうね、本当のプロフェッショナルの方々って難しいことをあたかも簡単なことのようにおっしゃいますよねぇ。

実際にカスタムされたKOMODO-Xを拝見させていただきましたが、ツァイス製ターレットファインダーが付いてます。

ただ、これはもはや覗いていないそうで、グリップ、レンズ、そしてファインダーと言う3点支持のような姿勢で構えるために使っているとの事。

めちゃめちゃにかっこいい……。

今回は大変貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました!

この場を借りて御礼申し上げます。

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と、ここまで記事を書いたのが3/7(木)

ニコンよりREDの子会社化が発表されました。

記事を書くのが絶望的に遅かった……と後悔しながらも、「いや、会場で見てきたという事実に変わりは無い!」と思うことにして公開しました。

ど、どうなるんでしょう……。

色々な憶測が飛び交ってますが、とりあえずカメラオタクとしては、ニコンがRFマウントのカメラを扱うの……?とだけ。

何が起こるか分かりませんねぇ。

では、また次の記事でお会いしましょう。

おまけ

RAIDのスタッフのお兄さんの私物の、ニコンS2ブラックが大変かっこよかったです。

ほんとに使い込んでる方の塗装の剥げ方!