ライカレンズのオールドコンデジ Panasonic LUMIX FZ8で撮る神戸の猫 撮影レビュー

皆さま こんにちは。 ナニワグループ 猫写真担当 見崎です。

ゴールデンウィーク、皆さまはいかかお過ごしでしょうか。
今年は最大10連休の企業もあるようで、旅行にお出掛けの方も多いでしょう。

さて、先日、喫茶店でテレビを眺めていると、若い世代(Z世代)が普段持ち歩いているアイテムを調査するコーナーで、2000年代に発売されたデジタルコンパクトカメラ(オールドコンデジ)が紹介されていました。

どのような場面でも超高画質になる高性能スマートフォンとは対局的に、想像力を掻き立てられる甘い描写・落ち着いた発色・高感度でのノイズ感など、レトロでエモイ写真が簡単に楽しめる点も流行理由のひとつに挙げられるようです。

今回の猫写真ブログは、オールドコンデジをテーマに決めました。

モデルは、いつもの神戸の猫さんです。

【レビューに選んだオールドコンデジは】

今回のオールドコンデジ(オールドデイカメ)は、2000年代のコンデジスペックのトレンドとなった「ネオ一眼」「高倍率ズーム」「光学式手振れ補正」を採用した「パナソニック LUMIX DMC-FZ8」を使用しました。

当カメラは、妻の実家へ帰省したときに、義父がワイド・テレコンバーターと大切に保管されていたものを頂戴し、点検を済ませてから撮影をしています。

発売開始は2007年(平成19年) 、当時の大手家電量販店での標準販売価格は5万円前後でした。

【登場当時のLUMIXシリーズは】

当時、パナソニックのコンパクトカメラには、スペック毎にシリーズを細分化していました。上位機種から列挙してみました。

■FZシリーズ・・・ DMC-FZ8 1/2.5型センサー・ネオ一眼スタイル・高倍率12倍ズーム・電子ビューファインダー・インテリジェントISOオート・光学式手ブレ補正
■FXシリーズ・・・ DMC-FX100 大型1/1.7型センサー・大型液晶・3.6倍ズーム・インテリジェントISOオート・光学式手ブレ補正
■FSシリーズ・・・ DMC-FS7 スタイリッシュ・光学式手ブレ補正・3倍ズーム
■LSシリーズ・・・ DMC-LZ7 単三乾電池・6倍ズーム
■LSシリーズ・・・DMC-LS75 単三乾電池・3倍ズーム

コンパクトデジタルカメラのラインアップが極限まで縮小された現在と比較すると、さまざまな機種が発売されていました。

コンパクトデジタルカメラの販売数に陰りに見えてきた2012年には、iPhone5が発売されています。

【ライカカメラ社の厳しい光学基準をクリアしたレンズ】

DMC-FZ8は、ライカカメラ社の厳しい光学基準をクリアしたレンズ【Leica DC Vario-Elmarit(バリオエルマリート)】を採用しています。

マルチコートを施しており、解像度・ゴースト・フレアの各要素において優れたレンズ性能を活かせるのが、ライカレンズの大きな特徴です。

ただし、カメラボディ本体の画像処理技術は現在からみると荒さを感じる部分があり、これが現在の視点からすると「オールドコンデジらしさ」になっています。

【小型軽量にも関わらず 光学12倍ズーム】

重さ357g(電池・SDメモリーカード含む)にもかかわらず、35mmカメラ換算で36~432mm相当のズームレンズを搭載

日常の記録は勿論、風景写真などでも幅広い表現方法が可能です。

最短撮影距離は、通常モードで30cm(広角端)~200cm(望遠端) マクロモードで5cm(広角端)~200cm(望遠端)です。
DMC-FZ8の撮像素子は、1/2.5型有効720万画素CCDを採用しています。

現行品でCCDセンサー機種となれば、トイカメラや1万円前後で購入できるケンコートキナー製コンデジ程度しかありません。

かつては、NikonやPENTAX・SONYなどの一眼レフでもCCDセンサーが採用されていました。

当時のカメラを知る往年のカメラファンの中には、CCD機種に拘っている方も見かけます。

オールドコンデジを選ぶ際は、CCDセンサーを採用しているか、当時のカタログ・説明書のPDFなどで確認しましょう。

【バッテリーはサードパーティ製で入手できます】

近年のコンパクトデジタルカメラの修理対応期間が生産完了から5年までというメーカーが大半です。

修理対応終了後も、新品のバッテリーはしばらく供給されますが、10年以上経過すると純正バッテリーは極めて入手困難です。

筆者のLUMIX DMC-FZ8のバッテリーは、サードパーティ製を選びましたが、純正品と比較して、やや撮影枚数は減っているかな……と思う程度でした。

ただし、サードパーティ製なので、自己責任で使用する点は留意する必要はあります。

ちなみに、省エネ機構が現行機より劣るオールドデジカメは電池の消費が早いです。撮影しない時はマメに電源を切っておきましょう。

ただし、電源ONにして、レンズが繰り出し撮影準備完了まで、2-3秒かかるLUMIX FZ8を含めたオールドコンデジは、急な撮影開始が苦手です。

優しく見守ってあげてほしいですね。

【オートフォーカスはじっとしている被写体向け】

オートファーカスは、マルチ・高速3点・高速1点・1点・スポットの5種類から選べます。

LUMIXシリーズのデジタルコンパクトカメラには、「高速1点」モードがありますが、現行機種と比較して実用性は期待しないほうが良いです。

今回の猫撮影レビューでは、小走りで近づいてくる猫にピントを追うことができませんでした。

【使用可のメモリーカードは、SDHCカード32GBまで】

2000年代前半のデジタルカメラは、SDカード(2GBまで)しか使用することができず、現在入手しやすいSDHCカードやSDXCカードを使うことができない場合があります。

SDHCカードは2006年に策定された規格ですが、2007年に発売されたDMC-FZ8はSDカードのみならずSDHCカードも使用可能です。

ですが、この頃の機種は「SDHCカード32GBまで」までしか使えないという制約がありますので、ご購入の際はこの点もお気をつけください。

なお、最近のSDメモリーカードのラインアップとして、「4GB」「8GB」「16GB」といった小容量のSDHCカードを廃番にしているメーカーもあるので、店頭で見つけたときは先に購入しておきましょう。

【スマーフォンへの画像転送方法】

2000年代のデジタルカメラには、Wifi機能はついていません。

主な転送方法として
◆「カードリーダー」と「変換アダプター」を用いて有線でスマートフォンへ転送する
◆「カードリーダー」でパソコンに一旦保存。そこからスマーフォンへの画像転送する
◆無線LAN搭載のメモリーカードFlashAir SDHCカードを使用する
などがあります。

スマートフォンの機種や変換アダプターとの相性によっては、転送できない場合があります。使用まえに使用説明書で確認をしましょう。

【最後に】

最近は、インターネットオークション等で簡単に入手できるオールドデジカメですが、購入者が気にする事柄に、「カメラの状態が把握できない」が挙げられます。

インターネットオークションの性格上、驚くような低価格で落札できる場合もありますが、大きな不具合を抱えているリスクも多くあります。

カメラのナニワ・レモン社・タカチホカメラで販売している中古品は、1点1点、各種動作・各種状態を点検のうえ、不具合箇所を明記のうえ、店頭に並べています。

また、店頭で実機を触りながらテストできるほか、購入後に動作不良があった場合は初期不良対応も承っております。

はじめてのオールドデジカメで迷っている方は、是非とも当店でご用命くださいませ。

●撮影協力してくれた猫さん
ココサビちゃん・チョビくん・ぴょんくん・しま子ちゃん・セナちゃん・ラッキーくん・エリザベスちゃん・ビクトリアちゃん・こにゃにゃくん
※猫の飼い主の許可をえて撮影しています

【おまけ】

なお、LUMIX DMC-FZ8の作例とあわせて、同じメーカーのオールドミラーレスカメラ DMC-G3(2011年登場)でも同じように作例を撮ってみました。

使用レンズは オリンパス M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8です。

それぞれの写真を見比べていただいて、オールドデジカメの魅力をお楽しみください。