皆さま こんにちは ナニワグループ 猫写真担当 見崎です。
この数年、Z世代と呼ばれる若い世代を中心として、2000年代(平成時代中期)に発売されたデジタルコンパクトカメラ(オールドコンデジ)が流行っています。
私も20代の頃、今のZ世代の皆さんと同様に、自分が生まれる前の写真機に限らず、過去の製品や文化に興味を持った時期がありました。
AF一眼レフが主流なのに、わざわざMFカメラを使用したり、最新の映画でなく過去の名作を観賞したり、ファースフード店よりも長年経営を続けている個人の喫茶店を敢えて選んだりしていました。
そうすることで、1960-70年代の勢いのあった成長世代を疑似的に体感したい思いがあったことを思い出します。
Z世代が、「使い切りカメラ」をはじめ、オールドデジカメ・レトロデザイン家電・昭和の歌謡曲に興味を持つのは、私の経験からも共感できることです。
特に、値上げの繰り返されるフィルム代を考えると、フィルムカメラよりも撮影コストがかからず、また現代のスマーフォンでは体感できない「レトロ風でエモイ作品が簡単に
楽しめるオールドコンデジ」はZ世代の必須アイテムになりつつあります。
さて、今回の猫撮影レビューは、人気のキヤノン IXYシリーズの中でも外観美を追及した【IXY3】について、筆者が用意しました猫写真と共にご紹介してゆきましょう。
【キヤノン IXY DIGITALの黎明期について】
初代IXY DIGITALが登場した2000年(平成12年)は、カメラメーカーでは オリンパスCAMEDIAシリーズ・富士フイルムFinePixシリーズを筆頭に、三洋 東芝 日立などの現在ではデジカメ事業から撤退した家電系メーカーを含めて15社以上から新製品のデジタルカメラが登場しました。
初代 IXY DIGITALは、APSカメラのIXYから継承する「ボックス&サークル」デザイン (直線的な箱型ボディにレンズ周辺を円で縁取ったデザイン)を採用しています。
現在から振り返ってみても、完成度が極めて高い製品でした。
以後、IXY DIGITALシリーズは、毎年新製品を発表し、現行機種【IXY 650】までにおよそ60種類も登場、オールドコンデジ市場では、IXYシリーズではあれば、新旧問わず、はやく売れてゆく傾向があります。
【初代「IXY DIGITAL」を連想させるボディ】
IXY3の製品化のポイントとして、「IXYの原点を受け継ぐ」を引き継いだ「ボックス&サークル」デザインを採用
ボディの横と縦の比率においては、芸術品や建造物などに採り入れられ、最も安定して美しいとされる黄金比1対1.618を取り入れています。
とくに、表面処理にも拘っておりアルミ外装部分には※着色アルマイト処理を施し、自動車などに行われるカラークリア塗装(透け感をもつ色の塗装)を手作業で行っています。
※着色アルマイト処理・・・アルマイト処理を行った後の酸化皮膜表面にできる孔(ポア)に染料を吸着させることで着色していく方法
カメラ趣味層からエントリーユーザーの誰もが思い浮かべるIXYの完成されたデザインとなっています。
筆者は、発売当初より愛用していますが、まったく古さを感じさせず、今でも街中でも違和感なく持ち出せます。
【小型ボディから想像を超える高倍率12倍ズーム】
小型・薄型ボディと言えば、ズーム比を落とすか、単焦点レンズにすることで実現した機種が多いです
しかし、【IXY 3】は厚み19.2 mmの薄型ボディに対して、焦点距離28-336mm相当(35mm判換算)F3.4-5.6の光学12倍を達成しています。
光学12倍ズームですが、望遠端に切り替えてもレンズがあまり伸びない「屈曲沈胴プリズム退避鏡筒」を採用しているので、撮影中のスタイルも格好良いです。
【薄型ボディのために犠牲となったスペック】
魅力的なところを中心にお伝えしていますが、薄型ボディ+光学12倍ズームを実現するために、1つ犠牲となったスペックがあります。
カタログを注視されている方なら、お気づきでしょう。
『センサーサイズ1/2.3型・総画素数 1,680万画素/有効画素数1,010万画素』
総画素数に対し、実際に使用している画素数が6割程度しかないという点です。
ここまで有効画素数を切り捨てていると、有効センサーサイズも1/3型と大差はないようですね。
現行の1/2.3型デジタルコンパクトカメラと比較すれば、ISO感度を上げるとノイズが出やすく、やや解像度も足らない部分も体感しますが、流行りのオールドコンデジを楽しむ視点でみれば、「高性能でなく好性能コンデジ」と呼びたくなります。
【タッチパネルはありません】
背面の操作系はタッチパネルではなくボタン式を採用しています。
【IXY 3】の姉妹モデルとして、操作系がタッチパネル式の【IXY 1】 がありますが、現在のデジカメでは一般的でない「感圧式(抵抗膜式)」を採用しています。
銀行ATMや駅の自動券売機などで見かけるタッチパネルと同じタイプです。
指の圧力の掛け方で反応が変わるので、デジカメのメニュー画面で細かな切り替えではストレスなくスムーズに進みにくいので、筆者はIXY3をメインに使用しています (IXY1は予備機として持っています)
【本体充電はできない 充電器は必須アイテム】
現行のミラーレスカメラ・コンパクトデジタルカメラでは、充電器は別売としている機種も増えてきています。
それは、カメラボディ本体でマイクロUSBケーブルで充電できるので省略しているようです。
【IXY 3】登場当時のデジタルコンパクトカメラ市場で、USB充電に対応していた機種は、SONY RX100・WX100・WX170などのサイバーショットシリーズが最初だと記憶しています。
【IXY 3】に対応する充電器と専用バッテリーは、キヤノン純正では廃番になっています。
サードパーティーではまだ新品で入手可能なので、カメラボディを購入する際、確認しておきましょう。
【最後に】
最近は、インターネットオークション等で簡単に入手できるオールドデジカメですが、購入者が気にする事柄に、「カメラの状態が把握できない」が挙げられます。
インターネットオークションの性格上、驚くような低価格で落札できる場合もありますが、大きな不具合を抱えているリスクも多くあります。
カメラのナニワ・レモン社・タカチホカメラで販売している中古品は、1点1点、各種動作・各種状態を点検のうえ、不具合箇所を明記のうえ、店頭に並べています。
また、店頭で実機を触りながらテストできるほか、購入後に動作不良があった場合は初期不良対応も承っております。
はじめてのオールドデジカメで迷っている方は、是非とも当店でご用命くださいませ。
◆撮影協力してくれた猫さん
小春くん セナちゃん ボブくん ラッキーくん ジュリアンちゃん ロンちゃん にゃん太くん パンちゃん
にゃにゃ黒さん うしさん テンちゃん ホアくん コロちゃん エリザベスちゃん コチョビくん こにゃにゃくん他
※猫の飼い主より承諾を得て、敷地内で猫を撮影
◆露出モード
プログラム露出 ISOオート