こんにちは~。編集長 中村です。
今回は煽り気味のタイトルです。ドンッ!
2024年にFUJIFILM X-S10は現役で使えるのか!?
最近、社員旅行で海外(ベトナム)へ行ったのですが、その際にFUJIFILM X-S10を持って行っていきました。
このX-S10、最近ちょっと持ち出す機会が減っていたのですが、旅行に持って行って使った感想をつらつら書いていこうと思います。
前もってお伝えしておきたいのは、とりとめのない文章なのでめっちゃ長いです。
そしてあまりにも長すぎて書いてる途中に「これはもう前後編に分けよう」となったため、前編を先に公開いたします。
お盆休みのお供としてお楽しみいただければと思います!
【まずは簡単に機材紹介】
【旅の行先はベトナム ハノイ】
【ノイバイ国際空港より入国】
【ハノイ市内を観光!】
【1日目終了 お疲れ様でした】
【世界遺産 ハロン湾クルーズへ】
【鍾乳洞で暗所撮影テスト】
【ベトナム旅行はまだ長い! 後編へ続く】
【まずは簡単に機材紹介】
今回のお題であるこちらのカメラ・X-S10ですが、2020年11月に発売された機種です。
ボディ重量約465gと軽量でありながら、5軸6段のボディ内手振れ補正機構を搭載。
イメージセンサーはAPS-C約2610万画素のX-Trans CMOS 4、画像処理エンジンはX-Prosessor 4であり、現在では1世代前のスペックとなっています。
しかし、上位機種と同等のセンサー・画像処理エンジンを搭載したうえにボディ内手振れ補正機構も搭載しているということで発売当初は非常に人気を集めた1台。
このX-S10はすでに2023年5月に販売終了となっており、後継機としてX-S20が発売されています(しかし現在、X-S20は供給不足につき新規受注停止中)
今回、旅行に行くにあたってレンズはXF16-55mmF2.8 R LM WRを装着して持っていきました。
ズーム全域でF2.8の明るさ、いわゆる「大三元」のハイエンドクラスレンズです。
換算24mmから70mmと使いやすい画角をカバーし、開放F値も2.8と明るい。
画質と使いやすさを両立し、FUJIFILM Xマウントズームレンズの中でも屈指の性能を誇る1本です(ただし設計が古いのでちょい重い)
【旅の行先はベトナム ハノイ】
ベトナム社会主義共和国の首都であり、ホーチミンに次いでベトナム2位の人口を誇る都市でもあります。
日本との時差は2時間。日本がお昼12時の時、ハノイでは朝の10時です。
ハノイの気候は亜熱帯気候に属し、5月~10月ごろまでの雨期には気温30℃を超える日がほとんどで湿度は平均80%と非常に高温多湿です。
7月に訪れましたがめちゃ暑かったです。日本の夏も暑いけど。
一方で、フランスに植民地化された時代の名残で黄色い壁の瀟洒な洋風建築が多数残っており、自然と都市が融合したような独特の雰囲気がありました。
【ノイバイ国際空港より入国】
それでは関西国際空港から飛行機でノイバイ国際空港にたどり着いたところから写真をお見せしてまいりましょう。
ちなみにフィルムシミュレーションはPROVIAを使用、ダイナミックレンジを400%に拡張しているためISOは常時640以上にしています。
なおPLフィルターを装着しての撮影です。
この設定で撮ったJPG未編集の写真を載せていきます。JPG記録サイズ「M」にして1300万画素で記録した画像をWEB掲載用にリサイズしての掲載です。
画像タップすると若干大きめの画像が表示されるようにしておきますが、だいぶ小さい画像しか載せられなくてすみません……!
歩きながら同僚の後ろ姿を撮影。
X-S10は前世代の画像処理エンジンX-Prosessor 4を採用しているカメラのため、最新世代のX-Prosessor 5搭載機種のような被写体認識AFは使えません。
メーカー各社でここ数年以内に発売されたカメラは大半が被写体認識AFを搭載しており、人間の後ろ姿を「人間」として認識してトラッキングし続けることができます。
しかし、残念ながらX-S10はそこまで高度なAF性能を備えていないため、任意のエリア1点にAFを合わせる「スポットAF」を使用して撮影しました。
AF合焦(ピントが合うこと)のスピード自体はそれなりに早いため、歩いている人間の後ろ姿を撮影する程度であれば特に苦労しません。
ただし、トラッキング性能が高くないため、自分自身が歩きながら撮影しようとするとピント精度が微妙になります。
いちいち立ち止まって撮影する必要があったため、このあたりは最新スペックの機材と比べると若干のデメリットですね……。
バスに乗ってハノイ市内へ移動します。
日差しと木の感じが南国らしい雰囲気ですね~。
FUJIFILMのカメラはセンサーサイズがAPS-Cのためダイナミックレンジ(明るいところと暗いところの写真に記録できる幅)が狭く、この写真のようなシーンはやや苦手ですが……。
冒頭でも述べたように、ダイナミックレンジを400%に拡張しているので明るいところと暗いところの差が大きくても通常より白飛び・黒潰れが抑えられています。
FUJIFILMならではの鮮やかな発色も相まって、撮影後に画像編集を行わなくともある程度いい感じの仕上がりになってくれるのは本当にありがたいですね。
【ハノイ市内を観光!】
ハノイ市内に入りました。
冒頭でも少しお話した通り、植物が生い茂る街の雰囲気は非常に独特で、異国情緒に溢れています。
市内観光のついでに撮った写真をお見せしてまいりましょう。
やはりFUJIFILMの色表現は良いなぁと再確認しました。
青や緑が特に分かりやすいですが、鮮やかだけど嫌味の無い発色はフィルムメーカーならではですね。
※一度室内に入ったときにISOを1600に変更したのを戻し忘れていた模様……。しばらく意味もなく高ISOで撮った写真が続きます。
街中にこんな大きな木が生えているのも日本ではなかなかないですねぇ……。
このシーンも明るいところと暗いところの差が大きいのでちょっと厳しかったり。逆光で明るい部分が真っ白になってしまいました。
また、枝と空の境界線部分に青っぽいフリンジ(滲み)が発生してしまっていますが、これはレンズ側の問題です。
Lightroomなどの現像ソフトを使用すれば簡単に修正できますが、今回は素の機材スペックをお見せしたかったのでそのまま画像掲載してます。
最初のほうで「AFは若干微妙」というお話をしましたが、ときおり立ち止まりながらスナップ撮影する程度でしたら不便は特にないです。
なんならX-S10より古い機種であってもスナップならそんなに困らないんじゃないかなぁと思うなど。
夕焼けに照らされて街並みがいっそうエキゾチックに見えます。
おそらくフルサイズのデジタルカメラですら若干ダイナミックレンジに余裕がない写りになりそうな輝度差のあるシーン……。
ダイナミックレンジ拡張のおかげで多少マシにはなっていますが、ハイライト(写真の明るい部分)にあたる夕焼け空が明るすぎて明暗の諧調が消えかかっています……。
撮って出し未現像ではこれが限界ですね。
気になるようであればRAW形式でもう少し暗めに撮影しておいて、現像段階で調整するなどの工夫が必要でしょう。
【1日目終了 お疲れ様でした】
さて、しばらく市内観光を楽しんだ後に夕飯へうつります。
上の写真は、弊社が誇るベテランスタッフの山瀬氏。
中望遠くらいの画角で人物撮影しようと思うと、やはり昨今のデジタルカメラのような高性能の被写体認識AF(人物)がないことに若干の不便さを感じます。
まぁ大人相手ならそこまで動き回ることもないので撮れないことはまったくないのですけど。
子ども相手だとなかなか厳しいかなぁ……。
夕飯自体の写真ぜんぜん撮ってなかったのだが??
写真に写っているのは、某スタッフが好奇心で注文してみた映えるカクテル。
ジンベースでだいぶアルコール度数が高かった上に香料が強かったため、頼んだ本人は一口でギブアップ。
残ったぶんは中村が気合で飲み干しました。
どうして……。
夕飯後、ホテルに帰る途中に撮った写真です。
1/9秒とかなり遅いシャッタースピードで撮影していますが手振れ補正のおかげでしっかりブレずに撮影できていますね。
ISO 1600かつダイナミックレンジ拡張を使用しているので拡大すると若干暗所ノイズが目立ちますが、SNSやこういうWEB記事に掲載する程度なら気にならないレベルなのではと思います。
映えカクテルでだいぶ酔いが回ってしまったこともあり、1日目の夜はわたくしホテル帰還早々に寝てしまったためその後撮影には行けませんでしたとさ……。
【世界遺産 ハロン湾クルーズへ】
さて、2日目です。
この日はハノイから車で約3時間ほどの景勝地・ハロン湾へバスで向かう予定となっていました。
ハロン湾は、海上に無数の奇岩が突き出した独特の景観が広がっており、世界遺産にも登録されているベトナム屈指の観光スポット。
キングコングの映画のロケ地にもなったとのこと。
まずは道中バスの車窓から撮影した写真をチラ見せしていきます。
めっちゃ歩道(?)をバイクが走ってたけどいいのかしら……?
大きな川に差し掛かったので何気なくシャッターを切った1枚。ローリングシャッター歪みがあまりにもひどい~!
X-S10は1/4000までメカシャッターでの撮影になりますが、それより速いシャッタースピードは電子シャッターでのみ撮影可能です。
このカットも電子シャッターで撮影したため、画像読み出しラグで画像が斜めに歪んでしまっていますね。
ダイナミックレンジ拡張を使っているとISOを高く設定しなければならないため、その分シャッタースピードが速くなりすぎて電子シャッターに切り替わることが多いです。
最近のデジタルカメラの中には、積層型イメージセンサーを搭載することで画像読み出し速度が大幅に向上した機種があります(SONY α1・Nikon Z 9・FUJIFILM X-H2Sなど)
積層型の機種は、電子シャッターで撮影しても画像の読み出しが早いため、読み出しラグによる歪みが非常に少ないというメリットがありますね。
一方でX-S10は非積層のセンサーであるため、このような画面全体が大きく動き続けるようなシーンで電子シャッターでの撮影を行うと、ローリングシャッター歪みがはっきりと出てしまいます。
メカシャッター・電子シャッターの使い分けに若干の注意が必要ですね。
しかしベトナムはスケールがデカいなぁ……。
日本で高速道路を走っていてこんな巨大な湿原を見かけることはまずないでしょう。
しばらく走っていると地形に変化が。山やむき出しの岩など、パンフレットで見たハロン湾の地形に近い風景が現れてきました。
さて、3時間近くバスに揺られながら移動してきましたが、ハロン湾 クルーズ船乗り場に到着しました!
ここからは船で移動していきます。
かなり大きい船! テンション上がりますね!!
いざ船が出港すると、奇妙な形の岩山が連なる不思議な景色が広がっていました。
これが世界遺産かぁ……。
切り立った岩々がゴロゴロと乱立しており、いかにも「秘境」といった雰囲気。
そりゃもうみんなテンション上がって写真撮っちゃうよね。カメラ店スタッフですから。
こうやって見ると、スキントーン(肌の発色)が程よく鮮やかで健康的に見えるのもFUJIFILMの良いところだなぁと再確認するなど。
【鍾乳洞で暗所撮影テスト】
クルーズツアーの道中、ハロン湾のなかでも有名な観光スポット・ティエンクン鍾乳洞に立ち寄りました。
ハロン湾にはこのほかにも鍾乳洞が多数存在するらしいのですが、その中でも最も有名ななのがこちらのティエンクン鍾乳洞です。
ややきつめの山道を登り、鍾乳洞に潜入していきます。
鍾乳洞の中は一部ライトアップされているもののかなり暗く、写真を撮るのにはなかなかシビアな環境……!
APS-CセンサーではISOを上げるとノイズが目立ちやすいため、シャッタースピードを遅めにしてしのぎます。
日本の鍾乳洞は水が湧きだしてひんやりしているイメージがありましたが、こちらの鍾乳洞は部分的に濡れているところはあっても壁や天井は乾いていました。
そして熱と湿気がこもっていて猛烈に蒸し暑い……!
鍾乳洞内部には、外から光が差しこんでかすかに光芒(こうぼう)が発生しているところもありました!
ここだけでもRAWで撮っといてがっつり現像したら良かったかなぁと若干の後悔。
ひさびさにX-S10で暗所撮影してみましたが、手振れ補正がきっちり止まるのが快適ですね。
OM SYSTEM(オリンパス)やPanasonic Lumixのマイクロフォーサーズ機ほどではないものの、FUJIFILM XシリーズもAPS-Cのためフルサイズ機より手振れ補正の効きが良いです。
1秒くらいまでなら難なくブレを防げる感覚。
SONYやNikonのフルサイズ機だと慎重にシャッター切って「1秒ギリ止まるか止まらないか」ぐらいな感覚なので、暗いところの撮影でもかなり安心感があります。
ISOを1600に抑えてシャッタースピードで露出を稼げば、ノイズでディテールが潰れてしまうことなく鍾乳洞の壁面を緻密に写しとることが可能ですね。
暗所でのAF速度・精度も十分ですのでストレスなく撮影できました。
鍾乳洞を抜けて外に出ると、見晴らしの良い高台に出ました。2枚目とかは「絶海の孤島」といった趣ですね。
これも日本ではなかなかお目にかかれない光景で新鮮でした。
下山し、船に戻ります。
2枚目、フードを装着していなかったのでかすかにフレアが出ていますが、個人的にはこういう感じ嫌いじゃないです。
鍾乳洞のある島を離れ、再び船に乗って港へと戻ってまいりました!
このハロン湾付近だけで数日滞在して観光される方もいるらしいとも聞きますので、今回の旅で見たのは本当にごく一部ですが……。
また今度訪れる機会があったら今度はもっと本格的に写真を撮って回りたいですね。
スケールの大きい景色が広がっているので、換算24mmでは迫力のあるフレーミングができなかったので残念。
超広角レンズを持ってきていつかリベンジしたいです!
【ベトナム旅行はまだ長い! 後編へ続く】
後編では、1日目には見られなかった夜のハノイの様子や最終日の模様、そして肝心のX-S10総合評価などをお届けしてまいります。
乞うご期待!!!
※8月15日追記 後編も公開しました!