こんにちは。編集長 中村です。
それでは気合い入れて後編やっていきましょう~!!
無駄に長くて皆さまご面倒をおかけしますがどうぞお付き合いください。
前編はこちら。
まずは引き続き、FUJIFILM X-S10で撮影した写真をお見せしてまいりますが……。
「結論はよ!!」と言う方は、お手数ですが以下の目次から「X-S10の総合評価!」まで飛んでいただければと思います。
【夜のハノイはまた違った雰囲気】
【衝撃の“トレインストリート”】
【最終日は史跡観光】
【ハノイ市内の世界遺産 タンロン遺跡】
【その他いくつか観光地まわりました】
【ラストは旧市街 ドンスアン市場】
【X-S10の総合評価!】
【夜のハノイはまた違った雰囲気】
さて、ハノイに戻って夕食を済ませるともうすっかり夜になってしまいました。
2日目は映えカクテル攻撃もされなかったため、自由時間で夜のハノイ観光としゃれこみます。
スナップしながら歩いていると照明がやたらとお洒落なお店を発見!
夜スナップも鍾乳洞の時と同じくなるべくISOを抑えて撮影していきます。
ちょっと怪しげな路地裏に入ってみたり……。
写真自体はブレていないですが、シャッタースピード1/10では動いてる人をしっかり止めることができません。
こういう風に「流す」」のも夜スナップならではの手法ではありますが、人物をしっかり止めて撮りたい場合はなかなか厳しいですね……。
こちらの豪華な建物、ハノイ歌劇場だそうです。
道路を隔てていたのでしっかり撮れませんでしたが、とても立派ですね!
現地時間21時ごろの繁華街。非常に活気があります。
夜でもバイクや車が大通りをたくさん行き来しておりエネルギッシュな雰囲気。
しばらく歩いていると大きな湖に到達しました。ホアンキエム湖という名前だそうです。
拡大して見るとけっこうノイズ乗ってるなぁ……。これだけ暗部が多いとさすがにどうしようもないです。
1段分くらいならシャッタースピードまだ余裕あったしISO下げても良かったかも。
海外旅行にも三脚を欠かさないカメラ店スタッフの鑑がいました。京都店 亀田です。
わたくしもこの前の花火撮影で三脚の大事さを思い知ったので、これから見習っていこうと思います。
【衝撃の“トレインストリート”】
さて、1日目の夜にいろいろ見てきた人に話を聞くと、何やら「手で触れられるくらい目の前を電車が通るスポットがある」というにわかには信じがたい場所があると……。
「トレインストリート」という名前らしく、そこを訪れてみました。
なんかもう普通に入れたのですが、そもそも線路内に立ち入りできる時点で日本ではあり得ないことです……。
たくさんのランタンに照らされてとてもきれい。
ここにたどり着く直前、「時刻表的にもう電車は過ぎちゃったかも……」とか話していたのですが……。
え……本当に電車が来たわ……。
近づいてくるけど思ったより脇スレスレで走ってくるから怖い!!
ほどほどのところで壁に張り付いて、おとなしく通過するのを待ちます……。
無事に通りすぎたところで後追い撮影します。
手前の人物と比較していただけたら分かると思いますが、だいぶ電車デカいです。
シングルAFの1点スポットでは遠ざかる電車を撮るのにはちょっと心許ないかな……。若干ピントが甘いです。
コンティニュアスAFで追従することも考えましたが、撮り逃がしたくないシーンだったので安牌を取りました。
SNSとかWEB記事に掲載するぶんにはこれぐらいでも十分かなとは思いますが。
電車も行ってしまったので線路沿いに進んでいくと、さらに照明が派手で人がいっぱいいそうなエリアにたどり着きます。
どうやらここら辺が「トレインストリート」の中心地のようですね。
めちゃくちゃ賑わってる~!
スマホで記念撮影している外国人観光客(わたしらもだけど)が多く、世界的に有名なスポットなんだなぁと思いました。
いや……あの……線路に座りこんじゃってるけどいいんですか……?
わたくしはここまで辿り着いた時点で気力体力どちらも尽き果ててしまったので帰りました。
一緒に行ったほかのスタッフたちは、線路脇のカフェに入ってまた何本か電車が通過するのを見たとのことです。
【最終日は史跡観光】
3日目、ベトナム滞在最終日を迎えました。
バスでハノイ市内を移動し、いくつかの有名な史跡を観光して回る予定です。
まずは「ベトナム建国の父」と称されるホー・チ・ミン氏のご遺体が安置されているホーチミン廟へ。
なんとホー・チ・ミン氏の亡骸は保存処置をほどこされて展示されており、一般公開されているとのこと……。
残念ながら今回われわれが訪れたタイミングでは、ちょうどご遺体の定期メンテナンス(まずこのフレーズがすごい)の期間中だったそうで。
残念ながらホーチミン廟には立ち入りできず、その姿を見ることもできませんでした。
その代わり、1時間に1回の衛兵交代に居合わせることができました。
衛兵さんたちがピシッとした姿勢で行進する様子は非常に厳かで、日本ではなかなか見られない貴重なものを見られましたね。
Lightroomでジオメトリかけたらもうちょっと水平垂直しっかり正確になりますけど、未編集撮って出しで載せてます。
続いてホーチミン廟のすぐ近くにある一柱寺を見学します。
名前の通り、1本の柱に支えられて池の上に立っているお寺です。正式名は「延祐寺」と言い、子宝祈願のお寺として有名とのこと。
菩薩様の前に供えられていた仏手柑(ぶっしゅかん)という柑橘類。
日本でも見たことはありましたが、ここまで大きくて立派なものはなかなか見ないですねぇ……。
寄り気味なので少し絞ってF5.6での撮影。APS-Cだと被写界深度を稼ぎやすいのでこういう時は重宝します。
【ハノイ市内の世界遺産 タンロン遺跡】
ホーチミン廟付近を観光した後、お次はバスで移動してタンロン遺跡にやってきました。
「タンロン」はハノイの旧称で、漢字で書くと「昇龍」だそうです。
門をくぐると分厚いガラス越しに遺跡らしきものが確認できます。
過去のベトナム諸王朝が連続してここを都として定めたため、時代的には別々のはずの様々な王朝の遺跡が重なって発見されたそうです。
その特異性から、こちらも世界遺産として登録されている史跡となります。
出土した様々な発掘物が展示されている資料室です。
わたくしはベトナムの歴史に明るくないので詳細は分かりませんでしたが、精巧な細工が施されていてなかなか迫力がありましたね。
なぜか展示室のど真ん中で資料撮影をされているスタッフさんがいらっしゃったのですが……。
明らかにSONY製のカメラを使っているのが一目で分かったので一同騒然!
近くでみたスタッフの1人曰く、マルチアングルモニターだったのでボディはα7R Vだったとのこと。
レンズはSIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art っぽかったようです。旧モデルのほう。
みんなカメラ好きねぇ……。
タンロン遺跡にはほかにもいろいろな建物や資料が保存・展示されていたようですが、今回は資料室だけさらっと見る感じで終わりました。
次回訪れることがあったらもっとゆっくり見たかったですね~。
【その他いくつか観光地まわりました】
タンロン遺跡の後もだいぶ駆け足でいくつかの観光地を回りました。
こちらは、ベトナム最古の教育機関があった文廟(孔子廟)。
孔子を祀っており、科挙合格者の名前が刻まれた石碑があったりと、ベトナムへの中国文化の影響がうかがえる場所でした。
お次、こちらはハノイ大教会。
パッと見で「ゴシック様式の教会だ! かっこいい!!」と思ったのですが、ネットで調べると正確には「ネオゴシック様式」という分類が正しいようです。
ここは本当に一目見ただけで撤収となったのでもっとゆっくり見たかった……。
続いて、夜にも一度訪れているホアンキエム湖にやってきました。
この湖に浮かぶ玉山祠という寺院を見ていきます。
この玉山祠には武将や神様が祀られている(関羽もいるらしいです)のですが、もう一つ有名なのは巨大な亀の伝説です。
そもそも「ホアンキエム湖」のホアンは「還」・キエムは「剣」を意味するらしく、これに亀の伝説が関わってきます。
15世紀の武将 レ・ロイ(黎 利)は湖の精霊から宝剣を授かり、当時ベトナムを支配していた明を追い払いました。
その後、ホアンキエム湖に神様の遣いである巨大な亀が現れ、宝剣を湖の底へと持ち帰った……という伝説が残っているそうです。
この伝説のモチーフとなったのがシャンハイハナスッポンという巨大な亀。
2メートルを超えるとてつもなく巨大な種なのですが、この亀の剥製が玉山祠には展示されています。
こんなデカい亀が実在するなんて……。
【ラストは旧市街 ドンスアン市場】
さて、短時間でめちゃくちゃいろいろなスポットを回ったのでだいぶヘトヘトになってしまいましたが、最後に旧市街のほうへ向かいます。
かつてタンロン城の城下町として栄えたエリアで、昔ながらの街並みが残る歴史的建造物保存地区になっているとのこと。
雑然とした街並みをバイクに乗った人々が多数行きかっており、非常にエネルギッシュな雰囲気。
週末の夜になるとナイトマーケットも開かれるらしいですね。
「スリもいるから気を付けてね」と言われていたのでちょっと緊張しながら通り過ぎていきます。
旧市街を進んでいくと、最後の目的地であるドンスアン市場が見えてきました。
雑貨や衣服、食べ物などさまざまな品物を取り扱うハノイ最大級の市場がこちらですね。
所狭しとモノが積み上げてあってなかなか独特の雰囲気です。
かなり安値でいろいろなものが手に入るとのことですが、わたくしはビビッてしまったのでゆっくり見て回る勇気はありませんでした……。
これにて予定されていたスケジュールをすべて消化しました!
ホテル帰還後、若干の自由時間と夕食を経て日本への帰路にうつります。
3日間、非常に刺激的で楽しい旅でしたね。
【X-S10の総合評価!】
2024年にFUJIFILM X-S10は現役で使えるのか!?
わたくしの回答としては……
制約はあるけどまだまだ使えます
です!!
FUJIFILM最大の長所 独自の色表現はもはや言うまでもないですね。
APS-Cセンサーなのでダイナミックレンジ(明るいところと暗いところの記録できる幅)はどうしてもフルサイズに比べて若干見劣りしますが……。
前編冒頭で述べたようにダイナミックレンジ拡張機能を使えば、多少明暗差があるシーンでも明暗の諧調(グラデーション)に破綻のない写真を撮影できます。
シーンによってはRAW現像が必要になってくる場合がありますが、JPG撮って出しで色や明るさをある程度追い込めている写真が得られるのは大きな魅力ですね。
SNSやWEBサイトに載せるぐらいの用途であれば気にならないレベルかなとわたくしは感じます。
ただし、今回の旅行では最高でもISO 1600までしか試していません。
ISO 3200~12800ぐらいまで使いたいという場合、ダイナミックレンジ拡張をOFFにしたとしてもそこそこ目立つノイズが発生すると思います。
どうしても高感度で撮影したい場合は、RAW形式で撮影してDxO PureRAWなどのノイズリダクションソフトを使用することをお勧めします。
ボディ内手振れ補正機構を内蔵しながらも約465gとボディが非常に軽いため、旅行先に持っていくのに荷物を圧迫しないのも助かりますね。
しっかり握れる大型グリップも採用しているため、重めのレンズを付けても安定感があるのもGoodです。
最近よく使用しているSONY ZV-E1も約1200万画素ですが、大きくトリミングしない限りこれぐらいの画素数でも不満がありませんので……。
約2610万画素という有効画素数の部分もまったく問題ないと思います。記録画素数を下げなければある程度トリミングの自由度もきくでしょう。
ただし、Mで記録してもJPG1枚で7MB前後とそこそこデータサイズが重たいのはちょっと嫌ですね。
JPG+RAWとかで撮影したらかなりデータ重たくなると思います。
見返してみると、色の偏りが若干気になる写真がちらほら。上の写真はマゼンタ気味です。
まぁこの程度であればJPGでも十分補正可能ではありますが……。
一発できれいにホワイトバランスを取れない場合がある、ということは多少気に留めておいていただいたほうがいいかと思います!
前編の初めのほうであらかじめはっきり明言しておりますが、最近の被写体認識AFを搭載した機種のカメラと比べるとAF性能は確実に劣ります。
コントラストAFと位相差AFを組み合わせたインテリジェントハイブリッドAFを搭載しているためAF合焦のスピード自体は正直そんなに遅くないのですが……。
AFトラッキングの精度は期待できないので「動きもの」を撮るなら多少工夫が必要でしょう。
例えばX-S10の後継機であるX-S20は、最新の画像処理エンジン・X-Prosessor 5を搭載してAFトラッキング性能が飛躍的に向上しています。
AF速度・精度がバッチリなカメラでないと不安……という方は、現行品のモデルを検討されたほうが良いでしょう。
NP-W126Sバッテリーは小型で容量が少ないため、遠慮なくシャッター切り続けていると意外に早く電源切れになってしまいます。
とはいえ、USB Type-Cでの給電に対応しているため、モバイルバッテリーを挿して電源回復させながら撮影可能ではあります。
ケーブルが若干邪魔にはなりますが、カメラを動かしながらバッテリー再充電できるのはせめてもの救いですね。
バッテリー自体の予備を用意するなり、モバイルバッテリーから給電するなりの電源ソリューションはほぼ必須になりますのでお気をつけて!
とはいえ、X-S10の中古品は現在きわめて品薄となっているため、今から入手するのはちょっと難しい上に割高となってしまうのですが……。
現在所持している方は、まだまだ現役で使っていけるカメラですのでバンバン使ってあげてください~!!
ちなみに今回、レンズはハイエンドクラスのXF16-55mmF2.8 R LM WRを使いましたが、旧キットレンズのXF18-55mmF2.8-4 R LM OISでも画質的には十分良いです。
古い機材だからと見切りをつけず、活用していただければと思います。
ということで前後編あわせてとてつもないボリュームになってしまいましたが、最後までお読みいただきましてありがとうございました。
また次回のブログでお会いしましょう~!!