こんにちは~。編集長の中村です。
今回は、だいぶ前にInstagramには写真を載せていたこちらのレンズについて……。
2024年 6月27日に発売された、Tamron 50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD(SONY Eマウント用)をご紹介してまいります。
Tamronさんからデモ機お借りしてしばらく使用させていただきましたが、広角端 50mmスタートでありながら望遠側は300mmまでカバーし、非常に使い勝手の良いレンズです~!
作例多数で、細かい使用感などをお伝えしてまいります。
【50mm標準域もカバーする望遠ズームレンズ】
【50mmと70mmでどれくらい変わる?】ツ
【望遠300mmも安定した使い心地】
【逆光耐性・フリンジ発生もテスト】
【欠点がほぼ無くオールマイティに使えるレンズ】
【50mm標準域もカバーする望遠ズームレンズ】
この70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDは、300mmクラスの望遠ズームレンズでありながらも545gと非常に軽く、本体価格のお手頃さもあって非常に人気のレンズでした。
その「もう少し引いて撮りたい」の声に応えたのが、今回ご紹介するこちらの50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDとなっております。
カバーしている画角は広くなりましたが重量は665gに抑えられており、70-300から重量わずか約100g増ながら使い勝手が向上しているのは素晴らしいですね!
さすがに300mmクラスの望遠ズームレンズだけあって150mmと多少長さがありますが、重量は600g台と軽量のため片手での取り回しも非常に楽です。
また、AF駆動もリニアモーター方式のVXD(Voice-coil eXtreme-torque Drive)になっており、AF速度・精度は十分な仕上がりとなっています。
いや~本当に隙のないスペックですね~!
それでは作例とともに具体的な使用感もお伝えしてまいります。SONY ZV-E1で撮影したjpg未編集の作例をご覧ください。
【50mmと70mmでどれくらい変わる?】
さて、数値だけ見ていると「50mmスタートだとどれくらい変わるの?」という感じかと思いますので、同地点から比較画像を撮ってみました。
1枚目が50mmで撮影したもの、2枚目が70mmで撮影したものです。
確かにけっこう変わるなぁ……。
50mmだと太陽の塔がギリギリ全体入りますが、70mmだと一回り狭い範囲で切り取られますね。
もう一つ別カットをご紹介。祇園祭の山鉾巡行を見に行った時に撮影したものです。
50mmだと手前の見物人たちまでフレーム内におさめることができましたが、70mmだと十分引ききれずに周囲の状況はほぼ写しこむことができません。
このように、広角端が50mmになったことの恩恵は非常に大きいと感じます。
【望遠300mmも安定した使い心地】
さて、こちらの50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDは単に広角側が広くなっただけではありません。
望遠側300mmをカバーしながら軽量コンパクトで手ブレ補正VCも搭載されており、望遠側の使用感も非常に良好な仕上がりになっています。
京都店の3階から祇園祭の山鉾をちょこっと撮りました。
このカットは窓から若干身を乗り出しながら片手でカメラをホールドして撮影したものなのですが、レンズが非常にコンパクトなので腕に負担はほぼありませんでした。
この軽さは本当にありがたい限りです!
望遠端300mmで撮影時、シーンによってはわずかなシャープネス・コントラストの低下が見られますが……。
周辺部画質の劣化はほぼありませんので、おおむねズーム全域で画質は安定していると評価できるでしょう。
個人的には150~200mmぐらいが望遠側で使っていて「おいしい」ゾーンかなと感じますね。
すっきりとヌケが良くシャープな写り、それでいてカリカリすぎず適度なやわらかさがあって程よい写り。
花を撮る方にも使いやすいと思いますのでおすすめです。
ちなみにこのレンズは近接撮影能力も非常に優れており、望遠端300mmなら最短撮影距離0.9m・最大撮影倍率1:3.1、広角端50mmでは最短撮影距離0.22m・最大撮影倍率1:2となっています。
被写体との距離が近いシーンでも撮影しやすく、広角端はハーフマクロとしてかなり思い切った近接撮影もできますので、非常に対応力が広いレンズとなっていますね~。
【逆光耐性・フリンジ発生もテスト】
望遠レンズとなれば気になる逆光耐性やフリンジ発生具合についてもテストしてみました(300mmで撮ったと思ったけどズームしきってなかった……すみません)
真逆光で撮影したところかすかにフレア・ゴーストが発生しました。
14群19枚と非常にレンズ枚数も多くなっていますので、BBAR-G2(Broad-Band Anti-Reflection Generation 2)コーティングを以てしても完全にフレア・ゴーストをカットすることはできないようです。
しかし、ごく軽微ですので実用上でそこまで支障があるほどではないと感じますね。
一方、光に照らされる木の葉のあたりを見た感じ、フリンジ(明暗差が大きい境界線に発生する色滲み)の発生はしっかり抑えられているのが分かります。
特殊硝材 XLD (eXtra Low Dispersion)レンズ・LD (Low Dispersion; 異常低分散)レンズをそれぞれ2枚ずつ用いている効果でしょう。
次に、広角側50mmで撮影したのがこちら。画面中央付近にわりと大きく目立つ形でゴーストが発生しているのが分かります。
一方でフリンジは望遠側同様にしっかり抑えられており、好感が持てますね。
わずかにフレームをずらしてハレ切り(遮蔽物を入れてフレア・ゴーストを防ぐこと)したらこんな感じ。
広角側は若干ゴーストの発生が目立つように感じますので、真逆光での撮影時は少し気を付けたほうが良いでしょう。
望遠側のほうがゴーストが目立ちづらいように感じますので、ズーミングして画角を変えるのもひとつの対処法としてアリですね。
【欠点がほぼ無くオールマイティに使えるレンズ】
という具合に、ズームレンジが長く幅広い画角をカバーしているレンズなのにも関わらず、小型軽量でしかも画質も安定しているという優秀っぷりです。
広角端が50mmスタートである恩恵は非常に大きく、70-300よりも広々したフレーミングが可能になっているのは本当に嬉しいですね。
とにかく寄り引きの自由度が非常に高いので、レンズ交換なしにいろいろなシーンを撮影しようと思ったら重宝します。
それでいてサイズ感もコンパクトに収まっているので「便利」以外の言葉が本当に出てきませんわ……。
位置取りが限られるイベント事とかでも、望遠側300mmまであったら大抵なんでも撮れるので安心感がすごくあります。
しかも軽くて取り回しが良いので三脚なしの手持ち運用ができるので機動性も損なわない。
お子さんの運動会を撮る時とかでもかなり活躍するレンズだと思います。
価格は70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDよりちょっと割高な印象を受けないでもないですが……。
この50-300mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDは、XLDレンズ・LDレンズをそれぞれ2枚ずつ用いており、LDレンズ1枚しか用いていない70-300より画質も良いのは間違いありません。
長く使っていける1本として重宝すると思いますので、価格で悩んでいるならちょっと頑張ってこちらの50-300を買ったほうがトータルの満足度は高いんじゃないかと思いますね。
という感じでめちゃおすすめできるレンズですのでどうぞご検討ください。ナニワグループオンラインおよび各店店頭にてご注文承っております。
最近ちょっと更新遅れ気味ですが、いろいろ最新機材情報を発信してまいりますのでまた次回のブログもどうぞよろしくお願いいたします!!
【おまけ】
もうただただ「大変申し訳ございません」以外の言葉がでてきません……。