撮影テクニック カメラのナニワ 梅田買取センター

【初心者向け】紅葉写真の撮り方【カメラの設定から撮り方まで徹底解説】

こんにちは。梅田買取センターの池田です。

さて今回は、紅葉の撮り方と題しまして、紅葉をキレイに撮影するためのポイント・テクニックをアドバイスさせていただきます。

紅葉は1年の中でも桜についで人気のある被写体ではないでしょうか。

標高の高いところでは10月初旬頃から見頃を迎え、関西の平野部などでは11月下旬から12月上旬に見頃となるところが多くなっています。

ちょっとした設定や工夫で、キレイな紅葉写真を撮ることができます。ぜひ参考にしてください。


【まず初めにカメラの設定から】

①撮影モード

オススメの撮影モードは絞り優先オートです。

紅葉などの風景写真で、手前から遠くまでピントを合わせたい場合は絞りを絞る(絞りの数値を大きくする)、また「背景をぼかしたい」場合は絞りを開ける(絞りの数値を小さくする)と良いでしょう。
紅葉作例 撮影地:長野県山ノ内町 志賀高原撮影地:長野県山ノ内町 志賀高原

F11で撮影。手前の紅葉した葉から奥の白樺までピントが合うようにしてます。
紅葉作例 撮影地:長野県山ノ内町 志賀高原撮影地:岐阜県白川村 白山白川郷ホワイトロード

F8で撮影。もっと絞って、手前の紅葉したナナカマドと奥に見える山までピントが合うようにする事も考えましたが、主役はナナカマドの紅葉と考え、背景を少しボカしています。
紅葉作例 撮影地:鳥取県鳥取市撮影地:鳥取県鳥取市

F5で撮影。F値を小さくすることで、背景を大きくボカすことができます。

単焦点レンズだとF1.4やF1.8などの明るいレンズも多いので、背景のボケを表現しやすくなります。

この写真を撮影したのは標準的なズームレンズですが、F5でもカメラと被写体までの距離を短くして、被写体と背景の距離を遠くにすることで、これだけボケてくれます。

②露出補正

絞り優先オートで撮影すれば、大きく露出が狂うことはありませんが、カメラの露出計は必ずしも正解ではありません。

そのまま撮ると実際の明るさより暗かったり、明るかったりすることがあります。

それを正解にもって行くのが露出補正です。

ここ最近主流のミラーレス一眼であれば、撮影前に露出(明るさ)をチェックできますので、暗ければプラス補正、明るすぎればマイナス補正をします。

紅葉作例 撮影地:兵庫県養父市 氷ノ山撮影地:兵庫県養父市 氷ノ山

この写真は背景が白く、また霧が出ている状況で、露出補正をしないで撮影するとアンダー気味の写真になりました。そこでプラス1.7補正を行い、イメージ通りの写真に仕上げました。

③ISO感度

三脚を使用するならISO感度は100~400の低感度にセットすると良いでしょう。

但し、風が強くて紅葉した葉っぱが揺れている場合などは、葉っぱがブレないシャッタースピードになるように感度を調節しましょう。

手持ちで撮影する場合は、手ブレないシャッタースピードになるよう感度を調節します。

最近のカメラやレンズには手ブレ補正機能が搭載されていますので、1/4秒や1/8秒でも手持ち撮影が可能となりましたが、もちろん手ブレのリスクも上がります。

手ブレ補正機能が搭載されているモデルでも最低1/15秒以上のシャッタースピードで撮影したいところです。

シャッタースピードがその数値になるISO感度にセットしましょう。

ISO感度は高くなればなるほど、ノイズが目立ち、画質が悪くなってしまいますので、必要以上に上げすぎないように注意しましょう。

撮影地:大阪府箕面市

ISO感度100で三脚を使用して撮影。拡大してもノイズは見られません。

新しいカメラの高感度性能は素晴らしいですが、それでも感度を上げ過ぎるとノイズの発生が見られます。

三脚が使用できるなら、低感度での撮影がオススメです。

④ホワイトバランス

ホワイトバランスの初期設定は「オート」になっています。

もちろんこの「オート」で撮影しても問題ないのですが、状況に応じて変更しましょう。
朝陽や夕陽が当たった紅葉を撮影する場合は「太陽光」がオススメです。

オートだと、朝陽・夕陽のオレンジ色を補正してしまい、少し印象と違う写真になってしまうことがあります。

また曇りの日もオートだと、実際の色より青味を帯びてしまう場合もあります。

曇りの日や日陰での撮影の際はホワイトバランス設定の中にある「曇り」「日陰」モードにセットしましょう。

そのほか、色温度(ケルビン)で自分の好みに合わせるのも良いでしょう。

紅葉作例比較:オートホワイトバランスホワイトバランス:オートホワイトバランス

紅葉作例比較:曇り(6000ケルビン)ホワイトバランス:曇り(6000ケルビン)
撮影地:京都府南丹市 龍隠寺

上の2枚の写真を比較していただくと違いがわかると思います。オートホワイトバランスの場合、少し青味がかかり、参道の赤い落ち葉の色が不自然です。

そこで、ホワイトバランスを「曇り」にすることで、実際に見た色に近くなりました。

オートホワイトバランスの精度はカメラの性能によっても左右されます。

ここまで青味がかった写真にならず、「曇り」に設定する必要がない場合もあります。

紅葉作例 撮影地:兵庫県新温泉町 上山高原撮影地:兵庫県新温泉町 上山高原

朝陽を浴びて燃えるようなオレンジ色になったブナの木。

ここではホワイトバランスを「太陽光」にして撮影しています。

オートホワイトバランスだと、カメラで補正されてしまい、このキレイなオレンジ色が出ない場合があります。

⑤仕上がり設定

仕上がり設定とはフィルム選びのようなもので、写真の仕上がりを鮮やかにしたり、やわらかく落ち着いた雰囲気したりと、撮影時に設定する機能です。

各メーカーとも何種類か用意されています。

その仕上がり設定は各メーカーによって呼び名が異なります。

キヤノン・・・ピクチャースタイル
ニコン・・・ピクチャーコントロール
ソニー・・・クリエイティブスタイル・クリエイティブルック
フジ・・・フィルムシミュレーション
など。

カメラの初期設定では「スタンダード」にセットされていますが、紅葉撮影の場合は「風景」「ビビッド」などの鮮やかに仕上がる設定にしましょう。

紅葉作例比較:スタンダード紅葉作例比較:ビビッド撮影地:兵庫県丹波篠山市

1枚目の写真は仕上がり設定はスタンダード。2枚目の写真は「ビビッド」です。

「ビビッド」にすることによって鮮やかな発色となり、インパクトのある1枚になりました。

実際の色は「スタンダード」で撮影した写真が近いと思いますので、鮮やか過ぎると感じる方はご自身の好みに合わせて設定してください。

以上がカメラの設定のポイントですが、ホワイトバランスと仕上がり設定の2点は紅葉を撮影する上では特に重要な設定です。


【撮り方について】

①光を意識しましょう

紅葉を撮影する際、重要となるのがです。

撮りたい風景や紅葉した木に対して、どのように光が当たっているかで、写真は大きく変わります。

光(光線)の種類は大きく「順光」「側光(サイド光)」「逆光」に分けられます。

青空と紅葉を撮るなら順光(撮影者の背後に太陽がある状態)がベストです。
紅葉作例(順光) 撮影地:兵庫県養父市撮影地:兵庫県養父市

青空と紅葉したブナの木。被写体全体に光が当たり、キレイな色再現をするのであれば順光で撮ると良いでしょう。

紅葉した山々の立体感を表現するなら、側光(サイド光)や逆光がおすすめです。
紅葉作例(順光) 撮影地:岐阜県白川村 白山白川郷ホワイトロード撮影地:岐阜県白川村 白山白川郷ホワイトロード

紅葉した山の木々にサイド光が当たり、太陽の当たっている部分もあれば、影の部分もあり、立体感のある写真となります。

サイド光を利用する場合は、太陽の位置が低い方が効果的ですので、早朝や夕方の時間帯がおすすめです。

色づいた葉っぱだけをアップで撮るなら逆光が最適です。
紅葉作例(逆光) 撮影地:京都府南丹市撮影地:京都府南丹市

葉っぱをアップで狙う場合は逆光(透過光)で撮影すると良いでしょう。

この場合、できる限り傷んでいないキレイな葉っぱを探しましょう。

余裕があれば、背景の色も考えてみましょう。この写真は、同系色の背景となっていますが、背景に影の部分をもってくる事で黒にすることができます。
紅葉作例(逆光)撮影地:福井県大野市撮影地:福井県大野市

真っ赤に紅葉したモミジ。木のフォルムも美しく、それを表現するため木の下に入り、見上げて木がシルエットになるよう逆光で撮影しています。

この写真を撮影する時、順光での撮影も考えましたが、最終的には立体感も表現できる逆光での撮影を選択しました。

葉っぱや1本の木など狙う場合は、撮影者が木の周りを動くことで光をコントロールすることができます。

しかし、山や渓流、池など広い風景を撮影される場合は、撮影者が光をコントロールすることができません。

このような場合はその風景と太陽の位置関係を事前に調べて置くことが大切です。

曇りや雨の日はフラットな光となり、コントラストの低い写真になりますが、落ち着いた雰囲気の写真を撮影することができます。
紅葉作例(曇天)撮影地:岡山県新見市 絹掛の滝撮影地:岡山県新見市 絹掛の滝

滝や渓流と紅葉を絡めて撮影する場合は、コントラストが低い曇天がおすすめ。

太陽が当たりコントラストが強いと、水が白飛びしたりすることが多々ありますが、曇りの日は光が均一ですので撮影がしやすくなります。

その日の天気に合わせて、撮影場所を変えるのも良いでしょう。

②アングルを変えてみましょう

被写体を探すとき、一般的には自分の視線で見つけることが多いと思います。

もちろん、それはそれで大切です。

でも、時には視線だけでなく、ローアングルで撮影してみたり見上げて撮影してみたりすると、一風変わった作品になることがあります。
紅葉作例(ローアングル)撮影地:京都府南丹市美山町撮影地:京都府南丹市美山町

渓流沿いにはキレイな落ち葉。その落ち葉を強調するため、ローアングルで落ち葉に近づき、背景の紅葉した木が入るようにフレーミングしました。

素敵だなぁと感じた場所で、色々目線を変えて絶好のポジションを探してみてください。

紅葉作例(見上げ)撮影地:滋賀県高島市

撮影地:滋賀県高島市

燃えるような紅葉。山や公園、神社などで被写体を探しながら撮影する場合、たまには上を見上げてみてください。とてもキレイな紅葉が見れることが多々あります。

この写真はほぼ真上に向かってカメラを向けています。首が少ししんどいですが、良い作品が生まれると思います。

③足元にも注目してみよう

紅葉と言えば、木々の葉っぱに注目してしまいがちですが、宝物は足元にも転がっています。

落ち葉などは最高の被写体言えます。
紅葉作例撮影地:京都府亀岡市撮影地:京都府亀岡市

美しい苔の上に落ちたモミジ。緑と赤のコントラストが見事でした。

決して私が置いたのではありませんよ(笑) 

撮影地:兵庫県丹波篠山市

まさに落ち葉の絨毯。落ち葉だけでは平凡な写真になりますので、立体感を出すために木の幹を配置しています。

落ち葉を撮影する場合は、まだ誰も歩いていない早朝がおすすめです。また、早朝は朝露がついて、しっとりした潤いの中に輝きもあり最高の時間帯と言えます。

撮影地:滋賀県高島町朽木撮影地:滋賀県高島町朽木

落ち葉の絨毯に落ちる影も美しい光景です。

イチョウ並木がつくる影のストライプ。紅葉はピークが過ぎても落ち葉が絶好の被写体となりますので、ぜひ狙ってみてください。

 

④C-PLフィルターを使いましょう

C-PLフィルターは反射除去をするためのフィルターです。

紅葉した葉っぱも太陽や空の光で反射しており、このC-PLフィルターで使用することで反射を除去し、より鮮やかな表現にすることができます。
紅葉作例(C-PLなし)撮影地:兵庫県養父市 氷ノ山紅葉作例(C-PLあり)撮影地:兵庫県養父市 氷ノ山撮影地:兵庫県養父市 氷ノ山

1枚目がC-PLフィルターなしで撮影。2枚目がC-PLフィルターを使用して撮影。

紅葉が終わりかけの写真で少しわかりにくいかもしれませんが、1枚目写真は何となく白っぽく見えます。良くみると熊笹の緑の葉っぱの部分が白く反射しています。

そこでC-PLフィルターを装着して、回転枠を回して反射を除去したのが2枚目です。
反射が除去されたことで、コントラストが高くなり締まった写真になりました。
紅葉作例 撮影地:兵庫県養父市撮影地:兵庫県養父市

青空と紅葉を撮影する場合、青空をより強調し、コントラストを高めたい場合にも有効です。

順光で少し見上げる構図の時に効果は大きくなりますが、逆光の場合は効果は少なくなります。


⑤天気予報を見てチャンスを逃さない

昨今、温暖化傾向にあり紅葉の時期も遅れたり、冬の訪れ・初雪も遅れているように思います。

そんな中でも、紅葉シーズンに初雪という絶景に出会えるというチャンスがやって来る事があります。

西高東低の冬型の気圧配置になって、気温が下がった早朝はチャンスです。平野部より山間部や日本海側地域の方が可能性は高いでしょう。

天気予報と睨めっこして、チャンスあり!と思えば出かけてみてください。

紅葉作例 撮影地:滋賀県高島市撮影地:滋賀県高島市

ある年の12月中旬に寒波が到来。滋賀県北部も雪の可能性がありそうと判断して撮影に出かけました。

早朝、現地に着いてみると薄っすら雪化粧。この年は紅葉も遅れていたので、紅葉が残っており、雪と紅葉のコラボが撮影できました。
紅葉作例 撮影地:滋賀県高島市撮影地:滋賀県高島市

ここでもしっかりと足元にも注目。落ち葉に降り積もる雪。朝陽に輝き、とても美しい光景でした。

この時期の雪はすぐに融けてしまいますので、早朝がおすすめです。


⑥雨の日でも諦めない

撮影に行く日が雨……なんて事も良くある話です。そんな時、撮影に行くのを諦めていませんか?

雨の日にしか撮れない写真もありますので、諦めずに出かけてみてください。雨に濡れた葉っぱは艶やかでとっても趣きがあります。

また、山であれば霧が発生することもあり、思わぬ絶景に出会えるチャンスです。

自分自身とカメラの雨対策は少し大変ですが、絶景が待っていると思って頑張りましょう。
撮影地:兵庫県丹波篠山市撮影地:兵庫県丹波篠山市

雨の日の神社。しっとりと濡れたイチョウの落ち葉は潤いたっぷりで、雨の日ならではの1枚となりました。

ここでもC-PLフィルターを使用し、葉っぱの反射を除去しています。

撮影地:長野県松本市 乗鞍高原撮影地:長野県松本市 乗鞍高原

雨の日、山間部ではが発生することが多くあります。

この写真も背後にかなり濃い霧が発生し、稜線がわずかに見える程度です。

霧は時に普通の風景を絶景に変えてくれる事がありますので、雨の日でも頑張って出かけましょう。

撮影地:岐阜県高山市 平湯大滝撮影地:岐阜県高山市 平湯大滝

雨の平湯大滝。何度もここを訪れていますが、雨のこの日が最高にキレイでした。

滝の両サイドには霧が立ち込め、幻想的な風景となりました。


 

【紅葉写真ギャラリー】

紅葉作例紅葉のピークは過ぎていましたが、落ち葉がとてもキレイでした。

渓流に目を向けると、落ち葉は浮いていて、しかも渦を巻いていました。そこで、F13まで絞り、シャッタースピードを4秒まで遅くして撮影しました。

紅葉作例晩秋のブナ林。登山道は落ち葉の絨毯となっていました。

紅葉のピークは過ぎていましたので、落ち葉を主役として、そこに入る影のストライプを切り取ってみました。

紅葉作例プチ撮影地情報。愛知県豊田市の四季桜。

ここでは紅葉の時期に桜が咲き、赤く色づいたモミジと桜の競演をみることができます。

紅葉作例プチ撮影地情報。京都府長岡京市 楊谷寺。

アジサイで有名なお寺ですが、紅葉の季節もキレイです。

ここは花手水が有名でとても美しいです。境内には数か所お手水があり、紅葉の季節はモミジが浮かべられています。

そのほかにも映えスポットも多く、楽しい時間が過ごせるでしょう。

紅葉作例水たまりに浮かぶ落ち葉。水面には頭上の紅葉した木の色が映り込んでいます。

ほんの少し動くだけで、水面の映り方も変わってきますので、ここでのベストと思える場所を見つけて撮影しました。

秋の足元の宝物探しはおもしろいですよ。

紅葉作例逆光でブナの木を撮影していると、突然霧が沸き上がってきて光芒が発生し、とても幻想的な光景となりました。でも、その時間はわずか1分程度。

日頃からカメラやレンズ、三脚の操作に慣れておき、いざという時にすぐにセッティングできるようにしていくのも大切です。


【最後にアドバイス】

紅葉作例 撮影地:丹波篠山市撮影地:丹波篠山市

いかがでしたでしょうか? 少しでも皆様のお役に立てたのであれば幸いです。

最後のアドバイスとしましては、お気に入りの場所には何度も通うべきです。

私は兵庫県但馬地方の山に、ほぼ毎年2回は訪れています。

同じ場所に何度も行くことによって、その場所の光線状態や撮影に向いてる時間帯などが把握できるようになってきます。

これにより、撮影する際の場所選びなどに余裕もでき、新たな視点での撮影もできるようになるでしょう。

ここ数年、紅葉のタイミングも遅れたり、色づきが悪い年も見られます。撮影に行かれる際は、SNSや市町村の観光協会などのホームページを参考にして、紅葉の見頃を確認してお出かけください。

紅葉撮影について、もっと詳しく知りたいなどご質問がありましたら、ぜひカメラのナニワ 梅田中古買取センターの店頭へお越しください。

撮影テクニックだけでなく、撮影スポットなども交えてお話しさせていただきます。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

この記事に関するお問い合わせ・・・梅田中古買取センター 池田

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