こんにちは! 心斎橋本店のたつみです。
酷暑の夏がようやく終わりを告げ徐々に秋が顔を覗かしてくれています。そして今年も気がつけば残りあと2か月。。(^^;
これからが1年中でも有数の撮影機会チャンス! さぁ~カメラを持って出掛けましょう!(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!
そして根強い人気に支えられている「Theマイナー機種列伝」!
第7回目のマイナーさんは 90年代ライバル社との競争の中である意味ターニングポイントとなった最高位機種「ミノルタα9xi」の巻です。
【αショック以降の世界】
世の中に衝撃を与えたミノルタα7000の誕生から来年2月で40年。。( ゚Д゚)シミジミ
「αショック」と呼ばれる事となるこのAF一眼レフの誕生は「100年に一度」と言われるくらいの大きな出来事でした。
発売されるやいなや大人気となり、一眼レフ競争で万年下位に甘んじていたミノルタを一躍トップメーカーへと押し上げ「政権交代」を成し遂げます。
すげ~ぞミノルタ!(/・ω・)/
それから半年が経った1985年8月。
まだその衝撃が収まらない中で早くもα2号機を発売。7000の上位機にしてプロ用モデルを掲げた「α9000」を投入。。
続けて翌年には普及モデル「α5000」を追加しラインナップが完成!
初心者からプロまで幅広くニーズに応える総合システムとして盤石な体制を確立し他社を圧倒!
その間のシェアは5割を超えたと言われ、AF一眼黎明期(俗にα第1世代)はミノルタの圧勝となりました。
どうするライバルメーカー達。。(-_-;)
しかしその状況を黙って指を咥えて傍観していた訳ではありません(もちろん指は咥えていません(^^;)
特にキヤノンは、対抗機T80で迎え撃つつもりが序盤にノックアウトを食らい、黒歴史とまで揶揄されたこともあり、虎視眈々と反撃の機会をうかがっていました。
そして1987年3月、新システム「EOS」シリーズを発売するとαとの闘いは一気に激化!
以後数年に及ぶ両社のガチンコバトルが展開されるようになります
【より早く!より正確に!そしてより簡単に!】
EOSの登場によりにわかに活況づくAF一眼レフ市場。。
パイオニアであるミノルタは動じる事なく、僅か3年で7000の後継機を発売。
「α7700i」と名付けられたそのモデルは第1世代から大幅な改良がなされていました。
・多点AF測距(1点から3点に)
・動体予測(動きのある被写体に合わせてAFを駆動)
・分割測光(8分割)
・インテリジェントカードによる機能追加
などなど。。( ゚Д゚)
俗にα第2世代(αiシリーズ)と呼ばれるこの期間(88~91年)で4機種を投入します。
それによってトップランナーの地位をかろうじて守りますが、以前とは違い盤石なものではありませんでした
最大のライバル キヤノンはレンズ内駆動方式を用いAFスピードの優位性をアピール!
さらにプロ用モデル(EOS-1)をラインナップし、その勢力をジワジワと拡大!
どうするミノルタ!(てか技術陣。。)
出した答えは、後継シリーズ発売。1991年6月、第3世代(αxiシリーズ)となるα-7xiを投入します。
掲げたコンセプトは「ゼロタイムオート」!
グリップ部とファインダー下にセンサーを設置し、カメラを構える事でAFが駆動。
またXiシリーズに合わせて電動ズームを採用したAF-Xiレンズを用意(計6本)
ズームも予測される大きさに移動する「オートスタンバイズーム(ASZ)」を搭載!
さらに分割測光をさらに強化して14分割にし、AEの正確性を向上させます。AEと連動させる事で後はシャッターを切るだけ!( ゚Д゚)チョーカンタン
つまり「(ほぼ)待ち時間がない」との意味合いで速写性を強調。「より早く!より正確に!そしてより簡単に!」を具現化しました。
さらに営業サイドなどからの要望もありプロスペックのモデルを用意されます。
9000から実に6年ぶりとなる最高位機種「α-9xi」を92年7月に発売する運びとなったのでした。
【世界最高基準を目指して】
満を持して登場し2代目の最高位称号「9」を与えられたα-9xi。どのようなカメラだったのでしょうか?
先ずは基本スペックから。。
発売年月:1992年 7月
・型式 35ミリ一AF眼レフ
・マウント ミノルタα(A)マウント
・シャッター B・30-1/12000
・電源 :6V リチウム電池2CR5
・寸法 幅163mm 高98.5mm 奥行64mm
・質量 765g(電池除く)
・価格 145,000円
外装は丸みを強調した流線形のデザインを実現する為に、当時主流となりつつあったエンジニアプラスチックを採用。
骨格部分にはダイキャストやステンレス板を用い強度を確保。
過酷なプロの現場や、ハイアマチュア達のハードな使用にも耐えられるような工夫を凝らしていました。
またα誕生以来のコンセプトであったシンプルな操作を踏襲し、徹底して機能系は集約された形をとり、ボディ表面には操作ボタンがほとんど見当たりません。
そして9xiの代名詞となったのが、世界初となる超高速1/12000シャッター!
これにより大口径レンズの開放撮影使用範囲が高まりました。
さらにその恩恵はシンクロスピードにも反映され、こちらも世界最高となる1/300を達成!
さらにお得意としていたインテリジェントカードシステムにより拡張性もアピール!
これらふんだんに盛り込まれた内容に新システムである「ゼロタイムオート」を引っ提げての登場!(※ASZは非搭載。。)
ライバルのキヤノン EOS-1(価格 189,000円)よりも安い!
話題にならない訳がない!(いつもいつものお約束!(笑))
世界初連発の機能と近未来的フォルムで注目を浴びます。
ところが渾身の一撃を放ったと思われていましたが世間の評価は高まって行きません。
プロ機を標榜しながらも肝心の玄人達からはそっぽを向かれてしまいます。
造りはともかくもベースになったのはα-7xiだった為、マイナーチェンジともとられかねない出来栄え。。(-_-;)(-_-;)
とくに賛否が分かれたのがあの「ゼロタイム」。。(-_-;)
素早く動くが意図しないところにピント合わせする事が煩わしいと大不評。。(*_*)マジカ。。
おまけに集約した操作系が仇となり、操作に手間取る人が続出。。
まさか看板のコンセプトが支持されないとは思ってもいなかった事でしょう。
さらに拍車をかけたのが「プロ用モデルではなくて。。」的なミノルタの見解。。
満を持してと違ったんかい!と多くの人が言ったとか言わなかったとか(苦笑)
【最後に。。】
AF一眼のパイオニアとして先頭を走り続けたミノルタ。
xiシリーズも4機種を送り出しそこそこの実績は作ったものの、その先進性は市場的には受け入れられず依然ほどの勢いは影をひそめ凋落のきっかけともなったと言われる始末。。
特に9xiはプロ用モデルとはされず販売実績もさほど振るわなかった悲劇のエース。。
しかしここでの経験がその後の「9」に繋がり、「真のエース」になる事をこの時は誰も知りませんでした
(了)