こんにちは、京都店の亀田です。
永遠の憧れの的、デジタルバックが入荷したので試し撮りしてみました。
今回入荷したのはPHASE ONE のP45+!
2007年発売の3,900万画素のコダック製CCDセンサーを搭載しています。
ざっくりとしたスペックはこんな感じです
P45+ | |
センサー | Kodak製CCD 49.1×36.8mm |
画素数 | 3,900万画素 |
ISO感度 | 50-800 |
使用メディア | CFカード |
35mm換算 | 0.71倍 |
何より、多くの現行中判デジタルのセンサーサイズ44×33mmに比べると、645判(56×41.5mm)に近いサイズです。
「もしも心の広さがセンサーサイズに比例するのだとしたら……。これを買うと僕は変われるのだろうか……」と期待を寄せたくなるセンサーです。
装着ボディに合わせて、
・マミヤ/フェーズワン645用
・ハッセルH用
・ハッセルV用
・コンタックス645用
がそれぞれ販売されておりましたが、今回入荷したのはハッセルV用。
今回はHasselblad 500Cに装着して試し撮りしてみました。
シャッターの連動のためにケーブルが必要なものの、サイズ感としてはフィルムマガジンとそう変わらないサイズ感。
元々の6×6判に比べるとサイズ感はこんな感じです。
正方形のカメラにアスペクト比4:3のセンサーを取り付けるので、同梱品にはファインダースクリーンに取り付ける透明なマスクが付属します。
ウェストレベルのファインダーで縦位置で構えるのは結構大変なので助かります。
四条通沿いで変な姿勢でごついカメラ構えている間抜けを目撃された方。それ私です。
○作例
それでは実写を見ていきましょう。
今回使用した機材ですが、以下の通りです。
ボディ:
Hasselblad 500C
レンズ:
C Planar 80mm F2.8 ・C Sonnar 150mm F4 ・CF SuperAchromat 250mm F5.6
Lightroomで現像のうえ、WEB掲載用にリサイズして掲載しております(画像タップすると大きく表示されます)
Hasselblad 500C /Phase One P45+ / C Planar 80mm F2.8 ,ISO 50
路地裏のグラフティを撮ってみました。めっちゃ後ピンです。
言い訳させてください。
私、意外とハッセルを通らない人生を歩んできました。
アキュートマットのスクリーンってきれいすぎてピントずれてても気づかなくないですか?
はい、言い訳です。
P45+のレビューとしては、モニターの拡大機能を使っても結構ピンずれ気付かないです。
この辺りは現行のIQシリーズやCFV Ⅱ 50cなどの精細なモニターとは大きな差かもしれないです。
Hasselblad 500C /Phase One P45+ / C Planar 80mm F2.8 ,ISO 50
こちらの赤のノボリがまぶしい一帯は蛸薬師通の喫煙所。
街中に急にこういうのが現れてくるのが京都の面白さかもしれないですね。
C Planar 80mm F2.8は初代なだけにやはり甘さも感じますが、少し絞ると随分性格が変わります。
これは確かf4です。
中判と言うとやはりよく言われることは、"ダイナミックレンジ"だとか"レタッチ耐性"だとかじゃないでしょうか。
このカットは手振れするぐらいならアンダーで撮って補正してみようと思ってやってみました。
正直なところざらつきは強いですが、この一面の暗黒からあれだけ暗部が戻るのは流石と言えるのではないでしょうか。これでISO200です。
これも先程のものほどではないものの中々アンダーでした。
色見としては十分と言えるかと思いますがかなりノイジーです。ISO400は限界かもしれませんね。
ここからのカットはCF SuperAchromat 250mm F5.6を使用してみました。
可視光域から赤外線光域まで色収差を補正するよう蛍石レンズを使用した夢のレンズです。
Cレンズの柔らかさもいいですが、こちらは明らかに色の切れが良いです。
【感想】
ピント合わせに苦戦したものの、憧れのデジタルバックを今回試してみることができて非常に満足しています。
特にダイナミックレンジの広さはとてつもなく、あれだけ真っ黒な画像からシャドウを持ち上げることができたのには驚きました。
ちなみに、ISO感度ごとにどれくらいノイズが発生するかを簡単にチェックしてみました。
各感度ごとに取り分けたものを切り出して並べてみた結果がこの通り。
現像作業時にノイズ処理をすれば気にならないと思いますが、中判デジタルを使うメリットを感じるのはISO200ぐらいまでかもしれないですね。
なるべく低ISOで使いたいところです。
なお、今回テスト撮影してみたPHASE ONE P45+ は、店頭に出して早々に売れてしまいました。
中古のデジタルバックをお探しの方は、こまめに弊社オンラインショップ新着中古をご覧いただければと思います。
それでは今回はこの辺りで。
また何か面白そうな機材が入荷したらテストしてみたいです。
京都店の亀田でした。