こんにちは、京都店の亀田です。
今回はサムヤンの国内正規代理店ケンコー・トキナー様より、7月に発売されたAF 35-150mm F2-2.8のLマウント用をお借りできたのでご紹介していきたいと思います。
ソニーEマウント用が先行して5月に発売されておりましたが、今回はライカLマウント。
αユーザーであれば、同スペックでタムロンからも35-150mm F2-2.8 Di Ⅲ VXDも選択肢にありますが、Lマウントユーザーにはこのスペックは唯一の選択肢。
待ち望まれた一本と言えるでしょう。
パナソニックSシリーズはもちろんですが、ライカSLシリーズで使いたいと言う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
Lマウント用はないですがタムロンと、少しスペックの近いシグマと合わせて仕様を表にしておきました。
SAMYANG AF 35-150mm F2-2.8 |
TAMRON 35-150mm F2-2.8 Di Ⅲ VXD |
SIGMA 28-105mm F2.8 DG DN |
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構成枚数 | 18群21枚 | 15群21枚 | 13群18枚 |
絞り枚数 | 9枚 | 9枚 | 12枚 |
最小絞り | F16-22 | F16-22 | F22 |
最短撮影距離 | 0.32m-0.85m | 0.33m-0.85m | 0.4m |
最大撮影倍率 | 0.184倍-0.18倍 | 1:5.7-1:5.9 | 1:3.1(焦点距離105mm時) |
サイズ | 155.4mm-195.9mm φ92.8mm |
158mm φ89.2mm |
157.9mm φ87.8mm |
重量 | 1,206g | 1,165g | 995g |
フィルター径 | 82mm | 82mm | 82mm |
LUMIX S5に装着してみました。
最初は大きくて笑っちゃいましたが、しっかり両手でホールドすればそんなに重くは感じないです。
【軸上色収差チェック】
新しいレンズに触れるときについついやってしまうのが、解放・最短撮影距離での色滲みのチェック。
実際はこんなに近接撮影ばかりするわけでは無いので、ちょっとフリンジが出たからと言ってあーだこーだ言いませんが一応見てみます。
※35mmでの最短で撮影したものの中央部を拡大して掲載
※150mmでの最短で撮影したものの中央部を拡大して掲載
厳しい条件でのテストですが、色滲みはほとんど無いと言っていいでしょう。
どこのメーカーもここ数年で急に色収差への対処のレベルがぐんと上がった気がします。
【歪曲チェック】
35mm f2.0
150mm f2.8
広角端から望遠端まで、目につくような歪曲はないと思います。広角側で解放付近は周辺光量落ちがあるかな?という程度。
【作例】
絞り:f8.0 SS:1/1600 ISO:400 焦点距離:150mm
いきなり余談ですが、私は街中のこういうシーンで望遠で圧縮するのが好きです。
105mmぐらいでも圧縮効果は出ますが、レンズ交換なしで150mmをぱっと使えるのは嬉しい。
絞り:f4.0 SS:1/2500 ISO:400 焦点距離:35mm
このレンズなら解放のf2.0でも全然大丈夫でしょうがf4.0に絞っています。
あまりボケで立体感を出したくないというのもありますが、どちらかというと私の癖。
どこで読んだか忘れましたが、昔よく言われていた言葉で「ズミクロンのf4」というのがあるそうで。
ズミクロンはF2解放の言わずと知れた銘シリーズですが、そこから2段絞ったf4.0が描写性能のピークと言われるそう。
初代の、それも50のズミクロンの話なのでもはや関係ないですが、F2解放のレンズを持つとついついその言葉を信じてf4.0に絞っちゃうんです。
絞り:f4.0 SS:1/400 ISO:400 焦点距離:100mm
後ボケを強調する形で撮ってみました。なかなかボケ味もきれいじゃないですか?
絞り:f8.0 SS:1/500 ISO:400 焦点距離:89mm
絞り:f2,8 SS:1/60 ISO:1600 焦点距離:150mm
ここからは作例と称した最近食べた美味い物の写真になります。
こちらはイワシのベッカフィーコって言うんですって。ベッカフィーコ。
シチリアのオシャ飯でしてよ。
イワシにあれやこれやのせて巻いて、パン粉かけて、スライスしたオレンジと並べてオーブンでブンでしてよ。
絞り:f2.8 SS:1/60 ISO:1600 焦点距離:119mm
あんまり詳しくないですが、ワインを飲みまくる会に参加した時の写真。
グラスがずらっと並ぶとかっこよい。
絞り:f8.0 SS:1/1600 ISO:400 焦点距離:150mm
とろっとろのタンシチュー。絞り:f2.8 SS:1/30 ISO:1600 焦点距離:103mm
大量のワインが消費された……。
【まとめ】
ズーム全域を通してシャープでボケ味も良くて高額性能面は満足なレンズでした。
私はズームを普段使いませんが、とりあえず35mm F2と150mm F2.8が一本に入っていると考えただけでも大変便利。
ただ、使用中に何度かLUMIX S5との相性が悪いのかな?と感じるシーンがありました。
AF開始時に画面が不自然な明滅をしたり、そのあとシャッターを切ると1枚だけ数段アンダーな写真が撮れたり。
また、RAWデータをLightroomやLumix Syncで読み込むと写真の上下に虹色みたいな線が入ってしまったり。(JPEGに書き出すと問題なくなりますが)
試しにシグマのfpや同じくLumix S5Ⅱにつけてみると問題ないので相性なのかもしれません。私のS5がおかしいのでしょうか?
総評としては、Lマウントシステムのメインレンズとして非常におすすめできる一本です。
購入前に実機をテストできて、ご自身のカメラで問題がなければ選択肢の一つとして頭の隅に入れてもいいのではと思います。
それでは、今回はこのあたりで。京都店の亀田でした。
※2024年 12月19日 ファームアップ不具合修正について追記
Samyang 35-150mm F2-2.8のファームウェアを最新にしたことによって、Lumix S5で現れていた画像上下のノイズ問題が解消。
— 中島ボブ (@NakajimaBob) December 20, 2024
1枚目がファームアップ前
2枚目がファームアップ後 pic.twitter.com/Vgt26jpozU
記事中の虹ノイズや露出面が最新のファームウェアで解消しているので、マジでこのレンズおすすめですわ。 https://t.co/7MaV20EJRG
— 中島ボブ (@NakajimaBob) December 20, 2024
Lumix S5でこちらのSAMYANG AF 35-150mm F2-2.8を装着した際の不具合について、「ファームアップで解消された」という情報提供をいただきました。
ファームアップ用ファイルははSAMYANG公式サポートページよりダウンロードできますので、詳しくはこちらをご覧ください。