皆さま こんにちは ナニワグループ 猫写真担当 見崎です。
写真や映像の楽しさを、見て、触って、仲間と共感できる、世界中のカメラファンが集まるイベント【CP+2025】開催まで1ヶ月を切りました。
会場から最新の情報をお届けするべく、会場に赴くスタッフたちも念入りに準備しています。
一方、こちらの猫作例ブログは、CP+とは無縁のオールドデジカメ・オールドカメラに関する有益な情報を皆様にお届けしております。
筆者にとってのCP+は【Cat's Picture+予算1万円で満足ゆくデジカメ】をテーマにしたブログでございます。
今回は、バレンタインデー・ホワイトデーでチョコレートなど甘いものが苦手なカメラ好きな家族・恋人に「形に残るプレゼント」としてオススメしたいオールドデジカメをご紹介してゆきましょう。
12月のブログに引き続き、東大阪市の喫茶店「calm」様のご厚意のもと、 ブログ作例用の猫写真をご用意しました。
【コンパクトデジタルカメラの過渡期を支えたFinePix S602】
FinePix S602が登場した2002年(平成14年)で最も人気のあったデジタル一眼レフは、キヤノン EOS D60やニコンD100でも販売価格30万円前後していました。
そのため、ファミリー層だけでなく写真趣味層もはじめてのデジタルカメラは「コンパクト機種」の中から探す傾向がありました。
この頃、カメラ付き携帯電話は有効画素数およそ35万画素とプリントアウトには極めて厳しい画質だったので、デジタルコンパクトカメラは、たいへん売れた時期でもあります。
それでは、2002年発売の主なデジタルコンパクトカメラを紹介しましょう。
■キヤノン
PowerShot S45・・・1/1.8型CCD ステンレス外装・多機能機種
■オリンパス
CAMEDIA(キャメディア)C-720 Ultra Zoom・・・8倍ズーム 電子ビューファンダー付き
■カシオ
EXILIM EX-S2・・いつも持ち歩けるカードサイズの超薄型デザイン・単焦点レンズ採用
■コニカ
デジタル現場監督 DG-2・・・フィルムカメラから継続する「現場監督シリーズ」のデジカメ
■ミノルタ
DIMAGE 7i・・・2/3型CCD・28mmスタート7.1倍ズーム・ネオ一眼デザイン
■ソニー
Cyber-shot DSC-F717・・・2/3型CCD・38mmスタート5倍ズーム
■ニコン
Coolpix E5700・・・2/3型CCD・8倍ズーム・ネオ一眼デザイン
■パナソニック
LUMIX FZ1・・・1/3.2型CCD・12倍ズーム・ライカレンズ搭載・ネオ一眼デザイン
■リコー
Caplio RR30・・・1/2.7型CCD・3倍ズーム・最短1cmまでのマクロ機能
2002年に発売されたデジタルコンパクトカメラはおよそ100種類。
半導体などの技術進歩が飛躍的に向上していた時期なので、多くのカメラメーカーが1年に2回もモデルチェンジをしていました。
このような過渡期にもかかわらず、FinePix S602は2002年4月の発売から後継機種FinePix S7000の登場まで1年7ヶ月ものあいだ販売され続けた息の長い製品でした。
基本性能が良く扱いやすいところと販売価格のバランスの良さが評価されたからでしょう。
それでは、FinePix S602が高評価されたスペックについて、次項からご紹介します。
【富士のデジカメと言えば「スーパーCCDハニカム」】
40-50代以上の写真趣味層の方であれば、聞き覚えのあるスペック「スーパーCCDハニカム」
従来型CCDのフォトダイオードの配列は「正方格子配列」が一般的でしたが、正方格子配列から45度回転させ、フォトダイオードの形状を受光面積の大きい八角形にしたものが「スーパーCCDハニカム」の基本形です。
この配列により、解像度・感度・ダイナミックレンジ・S/Nなどがバランス良くなり高画質を実現していました。
初代「スーパーCCDハニカム」は1999年(平成11年)に登場。FinePix S602には改良を重ねた第三世代「スーパーCCDハニカムIII」が搭載されました。
FinePix S602の有効画素数は約310万画素ですが、ハニカムCCDの補間処理によって最高603万画素相当で記録が可能になり、リバーサルフィルムにも負けず劣らずの高画質な大伸ばしプリントが得られました。
第三世代「スーパーCCDハニカムIII」の1番の特長は、4画素を1つにまとめることで感度を4倍にする「画素加算信号処理」が可能になった点です。
最大記録画素数約600万画素で撮影できるのはISO400までですが、「画素加算信号処理」で当時としては破格の高感度・ISO800-1600で撮影ができるようになりました(記録画素数 約122万画素になります)
筆者の所有する競合他社の同クラスと比較しても、富士フイルム機種の方が解像感も色再現度も満足度が高いです。
【2002年当時としては高速の「ハイスピードツインAF」】
デジタルコンパクトカメラの測距方法として、撮像素子(イメージセンサー)に写る画像を元に、コントラストが大きい場所を探しながら、ピントレンズを動かす「コントラストAF」が一般的です。
撮像素子(イメージセンサー)を使用するので、カメラ本体を小さくできますが、測距に時間がかかる点が短所であります。
一方、デジタル一眼カメラでは、レンズから入った光を2つに分けて専用のセンサーへ導き、結像した2つの画像の間隔からピントの方向と量を判断する「位相差AF」を採用し、非常に高速でピントを合わせることを得意とします。
FinePix S602は、「コントラストAF」と「位相差AF」の2つのAFを採用していたため、当時のデジタルコンパクトカメラとしてはストレスのないピント合わせができました。
従来機種FinePix 6900Zと比較して最大1/2まで短縮できました。
【大口径の光学6倍ズームレンズを綺麗にまとめたL字型ボディ】
「L字型ボディデザイン」と言えば、1990年代のAFフィルム一眼レフ「L-1」「L-10」からはじまり、デジタル一眼レフ「E-10」「E-1」までオリンパスの製品に多く見かけた印象があります。
富士フイルムでは、高倍率ズームのデジタルコンパクトカメラ「Finepix 4900Z」などの撮影を本格的に楽しむ機種において、L字型ボディデザインがはじまった筆者は考えています。
1990年代の「L字型ボディデザイン」は、従来の写真機を好む保守層にはなかなか受け入れられにくく、オリンパスのLシリーズ以外のフィルムカメラで大きく商品展開されませんでした。
2000年代に入ると、小さい撮像素子(イメージセンサー)のおかげで、フィルムカメラでは不可能だった「高倍率ズーム・明るい開放絞り(明るいf値)」を有するデジタルコンパクトカメラが出現します。
現行のデジタルコンパクトカメラは、あらゆるカメラメーカーで「光学式手振れ補正機能・センサーシフト式手振れ補正機能」を採用していますが、2002年当時は「LUMIX FZ-1」「OLYMPUS E-100RS」など数機種のみに採用される発展途上の技術でした。
FinePix S602は手振れ補正機能は搭載していないかわりに、一眼レフのようなグリップをデザインすることで、手振れが発生しにくいように配慮されています。
焦点距離35-210mm相当(35mm換算)・開放絞りf2.8-3.1というスペックは、デジタル一眼レフがなくても、一通りの撮影が賄えました。
【スマートメディアとマイクロドライブのダブルスロット】
これまでオールドコンデジを幅広くチェックされた方なら、目にしたことがある記録メディアである「スマートメディア」
1990年代後半から2000年代初頭までの富士フイルムとオリンパスのデジタルカメラの記録媒体として採用されていました。
厚みがわずか0.76mmしかないため、デジタルカメラへ差し込む際の力加減によっては、破損する場合もあります。
記録容量も、4・8・16・32・64・128MBといった数十枚しか保存できないような小容量しかありません。
幸い、FinePix S602はスマートメディアとマイクロドライブのダブルスロットを採用しているので、より信頼性の高いマイクロドライブを選べる点が安心です。
筆者の手元には、マイクロドライブのほか、TypeIのコンパクトフラッシュ(CF)カード 512MB・1GBを普段から記録媒体として使用していますが、これまでデータが消えたトラブルはありません。
但し、メーカーはコンパクトフラッシュ(CF)カードでなく、マイクロドライブ・スマートメディアを推奨しているので、自己責任で扱う覚悟は持っておきましょう。
【オールドコンデジには必須機能「電子ビューファインダー」】
当時のデジタルコンパクトカメラは、電池の消耗ははやく、一部のカメラメーカーの説明書を読み返すと、光学ファインダーで撮影することを推奨している機種もありました。
コンパクトカメラの光学ファインダーは、近い被写体(1メートル以内)を光学ファインダーできっちり収めたとしても、被写体が大きく切れて写った経験はありませんか。
フィルムに写る同じレンズを通じて画像を確認する一眼レフの光学ファインダーと異なり、光学ファインダーとレンズがそれぞれ独立しているコンパクトカメラの構造上、やむを得ない短所であります。
しかしながら、FinePix S602は、撮影記録するCCDセンサーより画像データーを確認する「電子ビューファインダー」のおかげで、テレマクロモード(望遠域で近接撮影)で、愛猫の顔を大きく狙ってもきちんとそのまま撮影ができます。
今では当たり前の機能ですが、過渡期のコンパクトデジタルカメラでは、高級機種であっても、扱いにくい光学ファインダーを採用している機種も多くありました。
【気になる中古相場は】
発売開始より23年を迎えているため、オークションサイト等では故障している個体を多く出回っています。
中古カメラ店では、他のFinePixシリーズと比較すれば、見かける機会は少ないですが、正常動作品・外観スレキズ有りの一般的な程度であれば、およそ5000円~13000円前後で入手できるでしょう。
なお、FinePix S602の電源は、単三アルカリ乾電池x4本で良いので、カメラ本体のみの販売品でも、撮影・再生には困ることはありません。
【最後に】
最近は、インターネットオークション等で簡単に入手できるオールドデジカメですが、購入者が気にする事柄に、「カメラの状態が把握できない」が挙げられます。
インターネットオークションの性格上、驚くような低価格で落札できる場合もありますが、大きな不具合を抱えているリスクも多くあります。
カメラのナニワ・レモン社・タカチホカメラで販売している中古品は、1点1点、各種動作・各種状態を点検のうえ、不具合箇所を明記のうえ、店頭に並べています。
また、店頭で実機を触りながらテストできるほか、購入後に動作不良があった場合は初期不良対応も承っております。
はじめてのオールドデジカメで迷っている方は、是非とも当店でご用命くださいませ。
◆モデルになってくれた猫さん◆
コナンくん リモくん コピくん
◆◆◆撮影協力:猫がいる喫茶店「calm」◆◆◆
住所:大阪府東大阪市長田東3丁目2−43
最寄り駅:近鉄/大阪メトロ長田駅 3番出口より徒歩3分
駐車場:なし ※近隣のコインパーキングをご利用ください。
※今回の猫撮影は特別に許可をいただいています。
猫カフェでありません
通常、猫は別部屋またはゲージ内にいます。
詳しい営業内容は「calm」公式ホームページにてお確かめください。