こんにちは! 心斎橋本店のたつみです
今年の冬は例年以上の雪が各地で降り積もり、まさにドカ雪まみれの日本列島。。
でも、そんな冬もようやく終わって春がやってきました(^^;
花粉症との戦いも過酷ですが(苦笑)
しっかりと対策をしてカメラを持って出掛けましょう!(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!
では、若干ネタ切れ気味ながらも頑張って書いております『Theマイナー機種列伝』!
第8回目のマイナーさんは 「ミノルタ X-70」の巻です。
【国内シェア拡大を狙って】
創業は1928年(昭和3年)と歴史を持っていたミノルタ(現コニカミノルタ)
カメラの生産も早くから手掛け「老舗」メーカーとしても名を連ねていました。
二眼レフで一世を風靡した「オートコード」シリーズや、日本製で初めて宇宙に行った「ハイマチック」など話題の商品も次々と開発!
その確かな技術力は海外でも有名で、ライカとの提携で誕生した「CL」によりその名声は一気に高まり、戦後から高度成長期において数多くのメーカーが乱立した時代の荒波もしっかりと乗り越え着実にその地位を盤石なものにしていきます。
とここまでは良い側面のお話。。
北米を中心に順調に海外での実績を伸ばす一方で、足元の国内需要は思惑通りには進まず、シェア争いは低迷。。(-_-;)
70年代後半に入ると競合他社から「小型・軽量・低価格」のモデルが軒並み発売。。
好調な海外需要に合わせた製品では波に乗り遅れてしまいます。。
どうするミノルタ(てか開発陣。。お約束。。(笑))
出した答えは、「小・軽・低」トレンドへの参入!
当時の主力機種だった「XE」の製造を止め、77年10月に「XG-E」を発売。
プラスチックを多用する事で小型軽量化を実現させます!
XE 69,500円 → XG-E 49,800円と約2万円も下げての大勝負!
話題にならない訳がない!(あれ?ちょっといつもより早い気が。。)
さらに1年半後の79年6月。
アキュートマットスクリーンを装着した改良機「XG-S」を発売。
さらにさらに翌80年3月。
あの伝説的CM「今の君はピカピカに光って~♪」で話題となった絞り優先専用機「X-7」が発売されると大ヒット!
この波にも技術陣の努力でなんとか食らいついていったのでした
【時代の移り変わりの中で】
荒波にもまれながらも逆境を乗り越えてきたミノルタ。一時的にシェアは拡大したものの上位メーカーとの差はなかなか埋まりません。。
しかし時代は次のステージに移ります。
70年代末にはライバルメーカーたちがプログラムAEの実装を始めます。
またまた訪れた荒波。。
これにはいち早く対応し、1981年10月に「X-700」を発売!
ヨーロピアン・カメラ・オブザイヤーを受賞するなど旋風を巻き起こします。
シェア拡大に向けて訪れた千載一遇チャンス!とは思ったかは分かりませんが、防戦一方だったミノルタが攻勢に出ます(と思います(^^;)
国内では未発売であった海外モデル「XG-M」をここぞとばかりに投入!( `ー´)ノ ヤッテヤルゼェ!
1982年1月、XG-Mの名称を新たに「X-70」と変えて国内発売に踏み切ります。
この登場で700→70→7のシリーズも完成!(^^
他社と渡り合える体制が整ったように思われました。。
【金太郎飴作戦の末路】
悲願の上位進出に向けてシリーズ整備し、国内投入をされたX-70とはどのようなカメラだったのでしょうか。
先ずは基本スペックから。。
発売年月:1982年1月
・型式 電子制御35ミリフォーカルプレーンシャッター付一眼レフAEカメラ
・マウント ミノルタバヨネットマウント
・シャッター B・1-1/1000
・電源 :1.5V SR44またはLR44 2個
・寸法 幅138mm 高89mm 奥行52mm
・質量 515g(電池別)
・価格 52,000円
※上記は当時の製品カタログより参照
機能はシンプルに絞り優先AE&マニュアル露出で使いやすさをアピール!
1/2段ながら露出補正も装備!
操作にあたってはまずまずの印象 (^^;
70はシルバーのみなので見分けはつきますが、ぱっと見だと違いが分かりません。。
また、アキュートマットは装備されましたがAEロックはついてません。。
マニュアル露出時に設定スピードは表記されません。。
アクセサリー類も共通ですがフラッシュはダイレクト調光ではありません。。
デザインはともかくもう一歩踏み込めよぉ!と言いたくなる始末。このような金太郎飴作戦では話題になるはずがない!(いつもと違う!!)
まぁ~元々が国内投入を考えていなかった(と思われる)機種だけに端から期待するのが酷ってなもんです。。(-_-;)
【最後に】
海外での評判とは裏腹に国内販売で苦労し続けてきたミノルタ。
海外モデルを転用してまでも打破しようとした試みは上手くいきませんでした。
緊急登板となったX-70は後継機となったX-500にバトンタッチし本当に短い役目を終えます。
登場以来40年余りが過ぎ、販売台数もさほど多くなかったX-70。その姿はほとんど見かけなくなりました
(了)