フィルムカメラを始めたい、そんな最初の一台をお悩みの方へオススメする一眼レフは何か?
各社良い機種が大変多いです。
そんな中、Nikonでしたら、多くの方が「New FM2」をオススメするのではないでしょうか。
ええ、全くもってその通りだと思います。
・写真撮影に必要な露出もメーター付きで安心
・ピントを自分で合わせる爽快感
・低感度フィルムを入れて1/4000での開放撮影
・使う事少ないけど1/250のシンクロ同調
etc...
と、悪いことより良いこと書く方が簡単な優秀機です。
しかし、今はお高いですが個人的には「FM3A」をお勧めしたい!
と常々思っております。レモン社 銀座店の山下です。
今回は書くまでもないですが、Nikon 「FM3A」をご紹介します。
大まかなスペック
使用フィルム | 35mm判パトローネ入りフィルム |
マウント | Fマウント |
主な使用可能レンズ | Ai,Ai-S,Ai-P仕様のレンズ |
ボディカラー | シルバーとブラック |
視野率 | 約93% |
撮影モード | A(絞り優先オート)8~1/4000 マニュアル 1~1/4000 |
スクリーン | 3種類の交換式 K3(スプリットマイクロ) B3(マット式) E3(方眼マット) |
使用電池 | CR1/3Nx1 または SR44x2 または LR44x2 |
【FM3Aのオススメポイント】
1.完全なハイブリッドシャッター
MFフィルム一眼レフ機には、シャッター駆動の方式を大きく分けると2種類ほどあります。
・シャッター駆動に電池を使用しない機械式シャッター
・シャッター駆動に電池を使用する電子式シャッター
どちらにも一長一短があります。
機械式シャッター機は電池が無くても動く分、オートモードが使えず、電子式シャッター機は絞り優先やシャッター優先、プログラムオート等機種によって変わりますが、オート機能が使える(物が多い)かわりに電池が消耗すると撮影が困難になってしまいます。
そんな両方のシャッター機構のいいとこどりをしたのが「ハイブリッドシャッター」
電子式シャッターカメラは電池が切れた場合、多くは緊急用に1/60やら1/250など、ある一定速度のみは切れるようになっております(全てではないかもしれません)
簡単に言えばそれの上位版でしょうか、各社によって違いがありますが、主に中間〜高速シャッター速度は機械式、低速側は電子式で制御される方式が多いです。
そんな中フラッグシップ機でもないFM3Aが到達してしまった低速〜高速までの完全なハイブリッドシャッター。これは相当ヤバいでよ。
Aポジションは全て電子制御式になっており、そこからシャッター速度の書いてある数字側へ切り替えると機械式制御に変わる仕様。
電子では聴けないスローガバナーの「ジーーー」って音も聴けるんやで。
やるなNikon
2.指針式の露出計表示
露出計の表示がアナログタイプの指針式になり、「FE2」と似たタイプのものとなります。
LEDタイプの露出計に比べ、感覚的にも視覚的にも適正露出よりどれくらいズレているかの判別が分かりやすくなっております。
3.AEロックボタンの位置が絶妙
ファインダー接眼レンズ隣に配置された「AE-L」ボタン。
FE2ではセルフタイマレバーをマウント側に倒している間はAEロックがかかる仕様でしたが、中々押しにくい位置にあるため、親指で押せるFM3AはAEロックの使用も簡単になりました。
4.交換式のファインダースクリーン
「New FM2」「FE2」でもスクリーン交換可能でしたが、FM3Aでも「スプリットマイクロ」「マット」「方眼マット」と3種類の交換スクリーンが用意されております。
しかも割と明るめ。
FM3Aの取説ではスクリーン交換による露出補正も不要との事で、素晴らしい互換性です。
露出補正をすれば「FE」でも装着し使用できるとネットで出てくる通り換装可能です。
ただし、Nikonでは使用できるとは書かれておりませんし、取り付け時かなり固めです。まあ、自己責任の世界ですが、やめた方がよろし。
【個人的ちょっと残念な点】
・視野率が約93%
フラッグシップ機ではないので、100%に近い視野率を求めるのは酷ですが、もう少し視野率が高ければ見切れが少なかったかな―と思ってしまいます。
でも今は現像した際のプリントやデータ化もノートリミングではないし、切れるので大丈夫かな。
・裏蓋開閉ロックレバーのオミット
New FM2やFE2で採用された裏蓋開閉の際のロックレバーがFM3Aでは廃されました。
そのまま巻き戻しノブを上に上げれば裏蓋が開きます。
でも裏蓋開閉ロックレバーは残しといて欲しかったなと思ったり。
・小刻み巻上が出来ない
フラッグシップ機等の上位機種になりますと、巻上を一回ではなく数回に分けて小刻みに巻き上げることが出来る機種もあります。
残念ながらFM3Aでは小刻み対応していないため、一度に巻き上げる必要があります。
プロっぽく小刻みしたかったぜ。
・絶賛中古価格の高騰
機能面でNew FM2とFE2の融合といっていいFM3Aですが、中古価格も2台合わせた価格に融合しちゃってます。まさか値段もハイブリッドするとは。
いや、それ以上か?
元々販売期間も短く、中古市場への流通も少ないので価格が上がるのも頷けるのですが、高い。
正直ここが一番ネックなところで、簡単にオススメできない点となってしまいました。
もう少し手頃なら間違いなくオススメしてるんですけどねぇ。
【作例いっとくで】
十数年ぶりに「Ektar」を使いましたが、やっぱり彩度高めですね。風景写真にも良く合います。
昔は現像時「エクター現像しますか?」と聞かれてましたが、今もやってるのかな?
NikkorレンズとEktarの相性もいいと思います。
原色に近い色を入れると凄いでよ。
かつ丼の三つ葉ってなんで美味しそうなんでしょうか?
中庸感度フィルムでの使用では高速シャッターを使えるので、絞りを開け気味にしても割と安心です。
復活した「X-TRA 400」も廃盤になるとは……。
※作例は結局フィルムとレンズの相性でございます
中古価格高めですが、写真専門学校や大学でも使用されている(いた?)機種なのでこれからフィルムカメラにトライしたい方にもオススメです!
特にブラック、こいつは塗装が剥がれると一部真鍮が露出するのでオススメ
候補の機種にいかがでしょう?