皆さま こんにちは ナニワグループ 猫写真担当 見崎です。
公開が遅くなりましたが、当ブログを書いていた3月3日は五節句のひとつである「桃の節句」でした。
桃の節句の代表的な食べ物と言えば、「菱餅」「ひなあられ」「ちらし寿司」……ですが、皆さまは、ご家族でご馳走は済まされましたか?
海老と蓮根(れんこん)が大好きな筆者は、「ちらし寿司」を楽しみに「桃の節句」を過ごしていたように思い出します。
どのような経緯で「桃の節句」がはじまり、ひな人形の飾りつけがはじまったのか、考える機会もなく毎年恒例の行事として過ごしていますが、このブログの書き出しをきっかけに、歴史を調べてみるのも良いでしょう。
さて、3月~4月はデジタルコンパクトカメラの購入需要の高い時期です。
先日、キヤノン IXY650が生産完了品になるなど、数万円で買える高性能コンデジの選択肢がほぼ無い状態になりましたが、オールドコンデジも視野に入れれば1万円以内でも高画質デジタルカメラが買える機種が多数あります。
そのなかから、100年以上の歴史を誇るハイブランド「LEICA」のレンズを搭載したオールドコンデジをご紹介します。
【オススメしたいハイブランドレンズ「ライカDC」】
パナソニックのデジタルカメラブランド「LUMIX」には、LEICA DG……という光学系と最先端技術を駆使した高性能レンズを採用した製品が多くあります。
2000年に松下電器産業株式会社(現在:パナソニック)とライカカメラ社でデジタルAV機器用レンズの協業契約を締結。
パナソニックが得意とするデジタル技術と、ライカが有する世界一と呼ばれる光学技術を融合させたLUMIXブランド初のデジタルカメラ「LUMIX DMC-LC5」が2001年に登場しました。
LUMIXの名称には、「光=Luminance」という由来が含まれており、LUMIXの名称の通り、初代製品より描写力・表現力について高い評価を得ていました。
LUMIX DMC-LC5のレンズには、ライカカメラ社が認定した測定機器と厳しい品質保証システムによって製造された「ライカ・DC・バリオ・ズミクロン」を搭載。
当時も今でも、「ズミクロン(SUMMICRON)」と言えば、「解像力」「立体感」「コントラスト」「収差」の光学性能を極限まで追求したにもかかわらず、最小のレンズ構成で小型・軽量化を実現した優秀なレンズです。
パナソニックがDMC-LC5に採用する「ライカ・DC・バリオ・ズミクロン」の設計・製造にあたり、ライカカメラ社からの厳し過ぎる判定に、日夜、図面を引き直し、試作品をつくった苦労話を、当時を知る松下電器産業株式会社AVC社 DSC開発センターのOBより伺った覚えがあります。
パナソニックとライカカメラ社が協業契約を結んで、今年で25周年。
LUMIX初代製品発売から24年を迎え、中古カメラ市場では、お買い求めやすい製品もあります。
特に、「ネオ一眼デザイン」と呼ばれる「FZシリーズ」のオールドデジカメは、1万円以内(機種によっては、5千円以内)で購入できます。
つまり、1万円以内で、ハイブランドレンズ「LEICA DC レンズ」の味も楽しめます。
筆者の個人的見解ですが、新品1万円デジカメでお散歩撮影・修学旅行……を記録するならば、1万円で「LEICA DC レンズ」を有する中古デジカメの方が、様々な構図・シャッターチャンスに強いです。
それでは、筆者のコレクションしているLUMIX FZシリーズのうち、1万円以内で購入できるデジカメを3製品について、ご紹介します。
【①LUMIX DMC-FZ1(2002年登場)】
コンシューマー向けとしては、業界初 光学12倍ズームレンズを搭載したデジタルコンパクトカメラです。
2002年(平成14年)当時の新製品は、有効画素数300万画素~500万画素と、競合他社よりも画素数向上させることが当然の空気で、LUMIX DMC-FZ1は、有効200万画素原色タイプ センサーサイズ1/3.2型とカタログ紙面では負けてしまうスペックでした。
しかし、焦点距離35-420mm相当かつ光学式手振れ補正付き しかもライカカメラ社の品質基準を満たした「ライカ DCバリオ-エルマリート」を採用と、有効画素数200万画素に目をつぶれば、納得の機能を搭載していました。
当時のデジカメには感度にすぐれる傾向のある補色系フィルターを採用した機種が多いなか、LUMIX DMC-FZ1には、赤、緑、青の3色によるRGB原色系フィルターを採用。
しかしながら、「VENUSエンジン」により、レッド(R)とブルー(B)からも輝度信号を生成処理することで、斜め解像度で従来比約1.5倍の高解像度を実現させるなど、有効画素数200万画素でもKG判プリントの鑑賞で楽しめる画質は誇っていました。
当機種には、ハイアマチュア向けの露出モード(プロクラム露出・シャッター優先露出・絞り優先露出)は未搭載でしたが、後継機種LUMIX DMC-FZ2(平成15年)登場後、FZ1の機能をFZ2相当に合わせる事ができる【バージョンアップキットDMW-VUZ1】を有償で提供しました。
※2025年時点【バージョンアップキットDMW-VUZ1は廃番です】
高性能レンズ「ライカ DCバリオ-エルマリート」を採用していますが、黎明期の「VENUSエンジン」、有効画素数の少なさから、フィルムカメラで撮影したアルバムを観ている雰囲気も出せます。
撮影時にホワイトバランス・色調・光源の位置(半逆光・逆光)など変えてみて、好みの画を探してみてください。
【DMC-FZ1 性能諸元】
カメラ有効画素数 200万画素
撮像素子 1/3.2型、原色フィルター
焦点距離 f =4.6~55.2mm(35mm判換算 35~420mm相当)
開放絞り値F2.8
レンズ構成 ライカDC VARIO-ELMARITレンズ8群13枚
撮影モード:通常撮影/かんたん/マクロ/ポートレート/スポーツ/流し撮り/夜景ポートレート/動画
最大連写枚数:4コマ(ファイン)
液晶モニター:1.5型 11.4万画素
大きさ: 約114.0×高さ 約70.3×奥行 約83.3mm
重さ:約350g(メモリーカード、電池含む)
【②LUMIX DMC-FZ20(2004年登場)】
LUMIX DMC-FZ1の流れを汲む「高倍率ズーム」x「ネオ一眼デザイン」シリーズは、開放絞り値(f値)によって、2系統に分類されます。
■大型カメラボディ/開放絞りf2.8一定
DMC-FZ1・FZ2・FZ3・FZ10・FZ20・・・・DC-FZ300・FZ1000 II
■小型カメラボディ/開放絞りf値変動
DMC-FZ5・FZ7・FZ8・・・・FZ70・DC-FZ85D
最近のLUMIXシリーズで例えるとDMC-FZ20は、FZ1000 IIへ引き継がれる「開放絞り値f2.8一定」シリーズの流れを持ちます。
DMC-FZ10以降では、大きいサイズの撮像素子「1/2.5型」になったことで有効画素数が向上に対応しています。
DMC-FZ1では、撮影機能を初心者向けに絞っていたため、花などのマクロ撮影でマニュアルフォーカスを好む上級者には使いにくい機種でもありました。
当機種では、鏡筒部にあるフォーカススイッチでAF/MFの切り替えが簡単にできるようになり、起動時間・合焦時間もストレスを感じないレベルまで改善されています。
今回の猫撮影において、窓際の逆光ではオートフォーカスが迷う場面がありましたので、MF切り替えはミラーレス一眼と同じ感覚で撮影を継続させることもできました。
デジタルコンパクトカメラの黎明期~成長期に跨る世代の製品のため、使用頻度の多いホワイトバランス・ISO感度の切り替えに手間を要する部分があります。
しかし、画質においては、同世代のオールドコンデジで比較した場合、筆者の中ではベスト3の高評価をします。
【DMC-FZ20 性能諸元】
カメラ有効画素数 500万画素
撮像素子 1/2.5型CCD 原色フィルター
焦点距離 f=6~72mm(35mm判換算 36~432mm相当)
開放絞り値F2.8
レンズ構成 ライカDC VARIO-ELMARITレンズ8群13枚
撮影モード P/A/S/M/マクロ/動画/シーン1・シーン2(ポートレート/スポーツ/風景/夜景/夜景ポートレート/流し撮り/花火/パーティー/雪)
最大連写枚数:4コマ(ファイン)
液晶モニター 2.0型 13万画素
外部フラッシュ対応:ホットシュー有
大きさ:約127.6×高さ 約87.2×奥行 約106.2mm
重さ: 約556g (メモリーカード、電池含む)
【③LUMIX DMC-FZ7(2006年登場)】
歴代のFZシリーズは直線的な意匠を凝らした厳格さを感じる部分がありましたが、DMC-FZ7では曲線を綺麗に描いた小さい一眼レフを連想させます。

ストロボ発光ボタンを除いて、切り替えボタンは、親指、人差し指で操作できるようになり、ミラーレス一眼「DMC-G1」の原型と呼べそうです。

また、かんたんモードおよびマクロモードに設定すれば、広角36mm相当で最短5cm・望遠端432mm相当で最短100cmまで撮影できるので、一眼レフのマクロレンズの出番が減ったことも思い出します。
「高感度」を選んだときはISO800とISO1600も選べるようになりましたが、高感度ノイズを気にされる方はISO200までに抑えた良いでしょう。

カメラ有効画素数 600万画素
撮像素子 1/2.5型CCD 原色フィルター
焦点距離 f=6~72mm(35mm判換算 36~432mm相当)
開放絞り値F2.8~F3.3
レンズ構成 ライカDC VARIO-ELMARITレンズ 8群11枚
撮影モード P/A/S/M/かんたん/マクロ/動画/シーン(人物/美肌/風景/スポーツ/夜景&人物/夜景/流し撮り/料理/パーティー/キャンドル/花火/星空/赤ちゃん1・赤ちゃん2/雪/高感度)
最大連写枚数:7コマ(ファイン)
液晶モニター 2.5型 11.4万画素 ・パワーLCD機能/ハイアングルモード
大きさ:約112.5×高さ 約72.2×奥行 約79.0mm
重さ: 約357g (メモリーカード、電池含む)
【購入にあたって気を付ける点】

デジタルカメラ本体が正常に動作していても、対応するアクセサリー類が現行品では対応できない場合があります。
●記録メディアについて
LUMIX DMC-FZ1・FZ7・FZ20 3製品共に「SDメモリーカード 最大2GB」までの対応です。 例えばSDXCメモリーカード 128GBを挿入しても、カメラは認識しません。
新品で購入できる対応するSDメモリーカードとして、例えば以下のようなものがあります
・お買い求めやすい価格帯
磁気研究所HIDISC SDカード 容量2GB 品番:HDSD2GCLJP3
・高価格(ただし繰り返し書き込みに強い)
磁気研究所HIDISC SDカード 容量1GB 品番:HDSD1GSLPJP3
●専用充電式バッテリーについて
LUMIX DMC-FZ1・FZ20の2製品で使用するバッテリーですが、純正品「DMW-BM7」は廃番につき、互換性バッテリーで探すことになります。
LUMIX DMC-FZ7について、純正品「DMW-BMA7」は近年まで新品在庫あったようですが、現在は廃番です。こちらも互換性バッテリーで探すことになります。
但し、お住まいの自治体によっては、互換性バッテリーを推奨していない場合もあります。購入前に確認しましょう。
筆者は、以前より純正品と互換性バッテリーを併用していますが、バッテリーの充電は日中に行い満充電が確認できれば、すみやかにバッテリーを外すようにしています。
かつて、カメラメーカーのサービスセンターで勤務していた時、リチウムバッテリーを閉館後の夜間に充電することは厳禁でしたので、現在でも習慣の名残で守っています。
●外付けストロボについて
LUMIX DMC-FZ20は、ホットシューを備えつけています。
オートストロボ・アングルズーム機能・多灯ライティングなどに対応する純正外付けストロボ「PE-36S」他、当時の製品はすべて廃番になっています。
現行のパナソニック対応のストロボは動作未確認のため、お気をつけください。
【最後に】

インターネットオークションの性格上、驚くような低価格で落札できる場合もありますが、大きな不具合を抱えているリスクも多くあります。
カメラのナニワ・レモン社・タカチホカメラで販売している中古品は、1点1点、各種動作・各種状態を点検のうえ、不具合箇所を明記のうえ、店頭に並べています。
また、店頭で実機を触りながらテストできるほか、購入後に動作不良があった場合は初期不良対応も承っております。
はじめてのオールドデジカメで迷っている方は、是非とも当店でご用命くださいませ。
◆モデルになってくれた猫さん◆
コナンくん
◆◆◆撮影協力:猫がいる喫茶店「calm」◆◆◆
住所:大阪府東大阪市長田東3丁目2−43
最寄り駅:近鉄/大阪メトロ長田駅 3番出口より徒歩3分
駐車場:なし ※近隣のコインパーキングをご利用ください。
※今回の猫撮影は特別に許可をいただいています。
猫カフェでありません
通常、猫は別部屋またはゲージ内にいます。
詳しい営業内容は「calm」公式ホームページにてお確かめください。